ToshibaGuideBook2026
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研究開発部門エネルギーシステムソリューションインフラシステムソリューションビルソリューションリテール&プリンティングソリューションデバイス&ストレージソリューションデジタルソリューションスタフ部門企業情報電池部門TMTMLinkKusama TomoeLinkSasaya TentaLinkShiga Yoshiaki私たちの仕事を紹介草間 知枝笹谷 典太志賀 慶明27働きながら博士号(論文博士)を取得 私は修士の時に東芝のインターンシップに参加して、医療機器の研究をするつもりで入社しナノ材料・フロンティア研究所機能材料ラボラトリー2016年入社 工学研究科金属フロンティア工学専攻 東芝には脱炭素化に貢献できる製品の一つとして、SCiBのリチウムイオン二次電池があります。SCiB性能をもつ電池ですが、私たちはその負極材料をチタン酸リチウムからTMニオブチタン酸化物に替えて、SCiBい容量や出力を出せる新しい電池を開発しています。その中で私は大きな電流を流して大きなパワーを出すことに重点を置いた高出力タイプの電池の開発を担当しています。電池の中の抵抗成分を小さくする必要があり、たとえば電池部材同士の界面の抵抗を減らすなどの取り組みをしています。 実は私は磁性材料を研究するつもりで入社したのですが、それまで経験のない電池を担当することになり、当初は戸惑いなかなか自信が持てアナリティクスAI部門2016年入社 応用生命システム工学専攻知技術の開発に取り組んでいます。スイッチギアは工場や大型の商業施設などに備えられ、大きな電流を制御する装置です。非常時にはスイッチギアが電流を遮断しますが、万が一その絶縁性能が劣化していると重大事故につながります。そこで、劣化初期に生じる微弱な異常信号をノイズに埋もれた状態から既検出し、スイッチギアの絶縁性能の劣化の予兆を早期に検知しようというのが私の研究テーマです。ほとんど文献もなく、一からあれこれ試していく中で従来の信号処理の枠組みではうまく対応できないことがわかり、機械学習を利用しています。この技術はスイッチギアで生じる異常信号に限定したものではないので、公開データ等を利用してその他の用途への応用の探索も始めています。システムAIラボラトリー2016年入社 物理学 私はプログラムリーダー(複数の研究テーマを管理する立場)を担っています。具体的には、気象予測技術をベースとした再生可能エネルギー電源の発電量予測技術に従事しています。 業務においては、東芝の研究テーマを世の中にどのように貢献させていくかという大きな課題があり、研究フェーズと社会実装フェーズにあるそれぞれの課題を見極めて、研究開発の方針を決めていくことが大切です。プログラムリーダーとして、複数の研究テーマの進捗状況や社会動向を把握しつつ研究の方向性の意思決定を行わなくてはなりませんが、それが大変な部分でもあります。そんな中、私なりの仕事の進め方として、自分が関わるテーマが社会にどう役立つかを常に念頭に置いて業務を進めノイズに埋もれた異常信号を検出する 私はスイッチギアと呼ばれる電源設備の絶縁診断サービスに向けて異常検は高い安全性や急速充電の優れた性能を維持しつつ、より高という名前ませんでした。ところが電池関連の大きな国際学会で発表した際にたくさんの質問を受けたことで、多くの人が興味のある大事なことを研究している実感が得られ、とても良い経験となり、また大きな自信にもなりました。経験がないからと尻込みするより、自分が積み重ねてきたことに自信を持つことが大切だと思います。 電池の研究開発チームには学生時代からずっと電池を研究していた人もいますし、電池を構成する有機材料や無機材料それぞれの分野に詳しい人も揃っており、すごく恵まれた研究環境だと思います。メンバーそれぞれの担当部分の実験や評価の結果を持ち寄ってミーティングを開いたり、自分で手を動かしてみて初めてわかることもたくさんあり、日々学びながら開発を進めています。ました。しかし、医療機器事業は東芝グループから離れたので、研究対象が大きく変わりました。そして、医療機器の研究をしたいという思いを捨てきれず、勤務終了後に自宅で学生時代に取り組んでいた画像センシングの研究を続け、論文博士の取得を目指しました。当時の上司が会社に入ってから博士号を取った方で、理解が得られたのは幸いでした。日中、自分が会社に行っている間に実験が終わるように自宅のパソコンでプログラムを回し、帰宅後に解析するということを繰り返し、4年間かけて博士号を取得しました。研究開発センターには、他にも入社後に博士号を取得した研究者が何人もいます。現在の私の研究は計測されたデータを処理することが多いのですが、今後は学生時代に培ったセンシングの知識を生かしながらデータを計測する部分にも踏み込んだ提案をしてみたいと考えています。社内のセンサを作っている部門と連携してハードウエアに工夫を凝らし、新たに取得できるようになったデータをさらに加工して意義のある情報を抽出するというような、上流から開発できるテーマを手掛けたいと思っています。ています。自分が研究した成果が事業で利用され社会に貢献できたことを実感した時は大きな達成感がありますね。 これは東芝という世界的な規模のフィールドにいるからであり、自分の研究成果をいち早く社会に役立てることができる企業であると誇りに思っています。また、研究テーマに対して、上司や後輩などの立場に関係なく、自由に議論できる闊達な職場の雰囲気も働きやすさのひとつです。 自分が関わった製品やサービスが社会のさまざまなところで活かされている、それは自分自身のやりがいであるとともに、家族に胸を張って自慢できること。そんな仕事をこれからも積み重ねていくことが、私の今後の目標です。https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc.html脱炭素化に貢献できるリチウムイオン二次電池の研究をしています。機械学習を用いて設備の異常を察知する。研究の成果が社会に役立つという喜びが モチベーション。東芝ならではの充実した環境とやりがいがあります。Staff Voice

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