ToshibaGuideBook2026
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Link「福島水素エネルギー研究フィールド(Fukushima Hydrogen Energy Research Field (FH2R))」福島県浪江町本事業はNEDO(※2)「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」の一環として実施しています。(※2)NEDO:国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構Link(※4)PEM:Proton Exchange Membrane(※5)MEA:Membrane Electrode AssemblyLink46(※3)2024年3月時点、当社調べLink(※1) 水素社会推進法:脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律LinkカーボンリサイクルのビジネスモデルEnergy Systems & SolutionsEnergy Systems & Solutions 2024年10月に低炭素水素等の供給・利用を推進する水素社会推進法(※1)が施行され、カーボンニュートラル実現のキーテクノロジーである水素は、様々な産業での活用への期待が大きくなっています。 東芝は、2014年4月に次世代エネルギー事業開発プロジェクトチームを組成し、水素関連事業を進めてきました。基本となるのは1960年代より開発を開始した燃料電池の技術です。現在では純水素型の燃料電池としてCO2を発生しないクリーンな電力を提供しています。 P2G(Power to Gas)技術については、福島水素エネルギー研究フィールド「FH2R」において、2020年7月より再エネの電力を利用した水素の製造実証を開始しています。本施設では水素需要予測や電力系統情報に基づいたエネルギーマネジメントシステムによる水素製造と電力調整を両立する実証を行っています。製造された水素は、定置用燃料電池向けをはじめ、燃料電池車等のモビリティ用途などに使用されています。 また、人工光合成技術を応用したP2C(Power to Chemicals)の実証事業を開始しました。P2C は、排出されたCO2を再エネ電力によりCOに電気分解し、水素などとの反応により合成燃料や化成品の原料に再資源化する技術です。研究所で開発した要素技術と、すでに実現している燃料電池技術の融合によって、これまでCO2排出量削減が難しかった産業でのCO2削減に寄与できるようになりました。 今後もカーボンニュートラル社会実現に向けて貢献していきます。CO2フリー水素を活用したカーボンニュートラル社会実現に向けて水素エネルギー事業田中貴金属工業湘南工場へ「H2Rex™」供給決定~国内最大級の発電容量となる、500kWの純水素燃料電池を実装~ 田中貴金属工業の湘南工場向けに500kWの純水素燃料電池システム「H2Rex™」を受注しました。純水素燃料電池の発電容量としては国内最大級(※3)の実装です。環境省の技術実証などの成果を生かした、初めての実装機です。 2026年3月末に納入予定で、同工場全体で使用される電力のうち、25%を賄う計画です。 田中貴金属工業は2050年までにCO2排出ゼロを目指す「カーボンニュートラル宣言」を掲げ、他の産業に先がけ設備の実装を進めており、当社もこれまで培った水素エネルギーの技術やノウハウで目標達成に向け共に取り組んでいきます。HARUMI FLAGにて新モデル「H2Rex™」が稼働 「H2Rex™」は、水素を燃料として電気と熱を供給する純水素燃料電池システムであり、発電時にCO2やNOxを排出せず、水だけを排出するクリーンな発電システムです。これまで当社はオフィスビル、公共施設、工場などに多数納入してきました。 2024年3月に晴海エコエネルギー株式会社へ納入し、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」にて商用運転を開始しています。 当社は、様々な産業分野に向けて「H2Rex™」を提供し、水素エネルギー導入拡大に貢献していきます。ベカルトと東芝、グリーン水素製造を促進するPEM水電解装置用MEA技術に関するパートナーシップ契約の締結 ベルギーのベカルト社と当社は、両社の技術的・製造的・商業的な強みを活用するため、2024年2月に協業契約を締結しました。これによりチタン不織布におけるベカルト社の優れた専門知識と、東芝グループの省イリジウム技術が組み合わされ、PEM(※4)水電解装置用MEA(※5)の製造に不可欠なイリジウム使用量を90%削減することが可能となります。希少な貴金属であるイリジウム使用量の大幅な削減により、MEAの安定供給が可能となり、グリーン水素製造の拡大に貢献します。 本契約によって、当社はグリーン水素の急速な需要に効果的に対応し、水素社会の実現に大きく貢献していきます。Topics

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