ToshibaGuideBook2026
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現状の記録方式Microwave Assisted Magnetic RecordingThermally Assisted Magnetic Recording LaserField Generating LayerCoilReaderMediaHead熱アシスト記録(TAMR)高周波アシスト記録(MAMR)熱の力を利用強磁性共鳴の力を利用アシスト記録(Assisted Magnetic Recording) 代表的な役割●ホストコマンド応答●Write/Read 処理●キャッシュ制御(性能改善)●データリトライ/エラー処理●セキュリティ機能●自己診断処理(SMART)●低消費電力制御          etc.量産確認量産販売応用技術・営業推進製造技術品質保証HostHard Disk DriveSAS/SATAHDDHeadVCMSPMコマンド・データ転送Host SystemDRAMSoCプリアンプ制御用ICCPU(0,1)+ファームウェアモータドライバーデータの流れファームウェア制御製品設計マーケティングコア技術製造品質SOC開発設計開発試作・設計確認妥当性検証製品技術・コントローラ技術・要素技術事業企画・応用技術・営業推進先行技術開発・海外研究開発拠点生産技術Toshiba Electronic Devices & Storage Corporation先行技術開発 数年先のHDD大容量化実現に向けた技術としてエネルギーアシスト磁気 要素技術開発 100種類以上の部品で構成されるHDD、その骨格をつくるのが要素技術HDD新製品開発の流れ爆発的に増え続ける生成データに唯一の日本メーカーとして世界に貢献しています。68(※1)TCO:Total Cost of Ownership/総所有コストElectronic Devices & Storage Solutionsる必要があります。またHDDはOS・アプリケーションによってさまざまなアクセスシーケンスを受け、そのシーケンスに適応して、HDDの性能を最大化することが求められます。ファームウェアはHDDの頭脳とも呼べる部分で、これらの課題を解決するためにHDDの動作全体を制御し、HDDのデータ信頼性の確保、低消費電力化、性能最適化を実現しています。お客様に満足していただける製品をハードウェアとソフトウェアの力で実現するのがファームウェア開発です。近年はデータ解析やプログラミング開発に生成AIを導入し、作業効率化を図るなど、開発環境も常に進化を遂げています。ファームウェアの制御ブロック、および代表的な役割● I/Fファームウェア(CPU0): ホストシステムとのコマンドのやり取りと、HDDの動作を制御するプログラム● サーボファームウェア(CPU1): ヘッドを媒体上で移動・静止させる高精度な位置決め制御プログラムや要素技術開発から提案された様々な技術を集結して具現化することで製品化を行っています。また、生産・製造・品質などの幅広い部門と連携しながら、製品設計を行い、試作から量産にいたるまでの全過程を牽引します。容量・性能・品質を向上させ、より優れたHDDを世の中に送り出すことを目指しています。半世紀以上にわたり世界最先端技術を投入したHDDを継続して提供しています。2021年には、当時世界初となる磁束制御型マイクロ波アシスト磁気記録(FC-MAMR : Flux Control Microwave-Assisted Magnetic Recording)を採用した機種を商品化しました。今後も、マイクロ波アシスト磁気記録、瓦書き記録方式(SMR:Shingled Magnetic Recording)、ディスク搭載枚数の10枚、11枚化など、様々な世界最先端技術の研究開発を通してHDDの更なる大容量化を実現し、リーディングエッジ商品を提供していきます。(※2)出典:TSR 2024年11月時点ファームウェア開発 HDDはTCO(※1)を最適化させるために容量を拡大し、消費電力を低下させ大容量HDD製品設計 データーセンター顧客のニーズをもとに製品仕様をまとめ、先行技術開発記録・再生技術開発と信頼性技術の両立、材料や生産技術に踏み込んだトライボロジーコントロール、ディスク・ヘッド相対位置のナノスケール制御 などの研究開発を行います。多岐にわたる技術を扱うため、各種シミュレーションや最新鋭の機械学習アルゴリズムによるデータサイエンスを活用しながら、各分野のエキスパートと共に最先端技術の開発に挑戦できます。開発です。機械図面やプリント回路基板図面を作成し要求仕様に応じたハードウェアを設計しています。さらに、ナノスケールの高い精度でヘッドの位置決めを行う制御技術も開発しています。これらの技術を融合させることで、革新的な製品を創出することに挑戦しています。 東芝は1967年にHDD事業に参入しました。HDDの研究開発・設計・製造には難易度の高い技術が求められるため、90年代には50社ほど存在していたHDDメーカは、統廃合により現在3社のみとなりました。しかしながら、2023年から2028年までのHDD市場は容量ベースで年率32%(※2)で拡大すると言われており、当社は参入障壁の高い業界における唯一の日本企業としてHDD世界市場を支えています。 さらに、当社は長年にわたる知識と経験の積み重ねにより、2005年当時、世界初となる垂直磁気記録方式を商品化するなど、近年、スマートフォンの普及や通信性能向上などにより、気軽に4K動画が撮影でき、編集した動画をSNSなどに簡単にアップロードできるようになりました。さらに、ビジネス環境ではクラウドコンピューティングやAIが活用されるようになり、世界中で生成される情報量は爆発的に増大しています。これらの生成データを保存するデータセンターからのHDD(ハードディスクドライブ)の需要は増え続けており、さらなる 大容量化と高性能化のため研究機関や他社と技術コラボしながら製品化を行っています。ストレージ(HDD)分野Topics拡大する市場とHDD大容量化の先端技術東芝デバイス&ストレージ株式会社

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