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CSR 企業の社会的責任

米国CSR推進団体とのステークホルダー・ダイアログ(2013年4月)

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米国有識者とのステークホルダー・ダイアログ

東芝グループが今後CSR活動を推進するにあたって何が重要になるのか。
そしてこれからのグローバルなCSR課題とは何か?
米国のCSR推進団体であるBSRのアジア代表、Jeremy Prepscius氏と話し合いました。

日時 2013年4月
場所 東芝本社
テーマ ・ステークホルダーとの対話を通じた「機会」の提示
・グローバルなCSR課題

ステークホルダーとの対話を通じた「機会」の提示

Jeremy Prepscius BSR=Business for Social Responsibility Vice President, Asia-Pacific
Jeremy Prepscius
Vice President,Asia-Pacific
Business for Social
Responsibility (BSR)

大森圭介(株)東芝
CSR推進室 室長
大森圭介
(株)東芝
CSR推進室 室長

大森:

CSRに関して機関投資家と話をすると、多くの方がESGの両側面、「リスク」と「機会」について聞きたいと言います。CSRは「リスク」を未然に防ぐだけでなく、企業にとって様々な「機会」も生み出すものと思いますが、Jeremyさんはどうお考えですか?

Jeremy:

その通りです。多くの報告書は「機会」についてあまり触れられていません。リスクはもちろん重要です。多くの企業はここからスタートします。しかし、常にリスクだけを意識してしまうと、リスクマネジメント以上のものは得られません。「機会」とは、イノベーションを世界の各地域における考え方やビジネスモデルに関連付け、変化を起こす「機会」のことです。これはとても実現にはハードルの高い課題です。東芝のCSRレポートは紛争鉱物規制などの外部要因との関連性にも触れられているのはもちろんのこと、「機会」についても触れられていますが、もう一歩深めることができると思います。つまり「CSRとイノベーションを併せてどのようにグローバルコミュニティに貢献できるか」ということです。東芝の技術をどのように各マーケットに導入するか、導入した場合としなかった場合のImpact(効果)はどうかを見極めながら事業の方向性を決めていくということが重要になると思います。ここに到れば、私たちはサステナビリティの次のステップを考えることができるのです。

大森:

Impactとはすなわち、当社が世界をどのように変えることができるか、「機会」をどのように活かしていくことができるかということですね。その点では、たとえばベトナムで、顧客の工場に環境関連技術・システムを導入することで環境負荷を低減させたり、インドのスマートコミュニティ・プロジェクトでは、コミュニティ全体の低炭素化や電力供給の安定化に向けた取り組みを進めるなど、私たち独自の技術やイノベーションを通じて、社会に対してImpactを生み出す可能性があると考えています。

Jeremy:

日本の企業はいろいろなアイデアや技術を持っています。必要なのは、それをさらに広げていくことです。CSRとは、「相手を尊重し、耳を傾け、理解する」という3つのとてもシンプルな考え方のことだと考えます。この3つの実践を通して「機会」を生み出すことができるのです。それぞれのステークホルダーをまず尊重すること。尊重するためには、彼らの意見を聞くことが大切です。そして真の意味での理解をすること。経済や企業、顧客のニーズを理解することに尽きるからです。企業が提供したいものよりも、彼らが必要とするものを提供しなければならない。同じように、国によって異なるステークホルダーは異なるニーズを持っています。インドネシアでは水処理、太陽光発電、インフラの問題があるかもしれません。インドでは過疎地での発電や蓄電、データ構築に課題があるかもしれません。そこで東芝はどのようにこれらのニーズに応えていくのかを「尊重し、耳を傾け、理解する」ことが求められます。そうして「機会」を生み出していくのです。

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グローバルなCSR課題

大森:

話は変わりますが、グローバルなコミュニティでは、国連などがイニシアチブをとり「ビジネスとグローバルな人権」が重要なCSRテーマになりつつあると考えています。

Jeremy:

個人的には、CSRとは今も昔も「人権」が根本的なテーマだと思います。ビジネスは世界や人々に様々な影響を与えるからです。しかしビジネスと直接関連づけにくいものとして長い間「人権」という言葉ではあまり語られてこなかったのは事実でしょう。ただし最近は、「多様なステークホルダーが存在し、それぞれに人権が存在する」という考えに原点回帰しているといえます。たとえば企業の従業員のみならずそのサプライチェーンでの人権が尊重されていること、品質の高い安全な製品を提供することも、広い意味での人権です。私の考えでは、今のトレンドは「人権に関して、より体系的なアプローチで異なるステークホルダーの異なる意見を理解する」ことが求められていると思います。ゆっくりとした変化ですが、今ビジネスにとって「人権」はますます重要なテーマになってきていると思います。

大森:

当社としても紛争鉱物問題への対応や、サプライチェーンにおけるCSRの推進という課題に対して、調達取引先や業界団体、NGOなどと対話を重ねながら取り組んでいます。

Jeremy:

社会からの要請は常に変化します。もし5年前に、「電子業界の企業はコンゴ共和国や周辺国で起きている紛争鉱物問題に配慮すべきか」と聞かれたら、私は戸惑っていたでしょう。今日の問いが5年後でもまったく同じ回答を伴うとは限らないのです。しかし「人権」に関して、東芝は国連グローバル・コンパクトに2004年に参加するなど、国際社会に対してその取り組み方針を表明しています。「人権」を理解しエンゲージメントすることは大変なことですが、同時に「人権」はビジネスを行う上で中核でもあります。東芝がグローバルな人権を企業活動に体系的に統合しながら事業を展開していけば、社会と一人ひとりにポジティブなインパクトを与え続けることができるでしょう。東芝のCSRレポートはすばらしい出発点です。しかし、「機会」と、どのようにして価値を創造するか、どのように人々や地域コミュニティの声を聞いていくか、に今後もっとフォーカスしなければならないと思います。ステークホルダーの声はリスクを軽減し、人権問題やサプライチェーンの働きやその透明性を理解すること、機会と価値を見つけるのに役立つのではないでしょうか。「Toshiba's Sustainability Activities」のレポートから「Toshiba's Sustainability Impacts and Visions」へ、つまり「活動」を示す報告書から「インパクトとビジョン」を提示した報告書へと進化させるよう、東芝の更なる取り組みに期待しています。

米国有識者とのステークホルダー・ダイアログ大森圭介

対話を終えて

対話を終えて

当社も会員であるBSRには、東芝グループのCSR活動についてグローバルな視点から継続的に提言を頂いています。
今回、アジア地域の責任者であるJeremy氏に2009年に引き続きご意見を頂くことで、ステークホルダーとの対話を通じて、東芝が社会に与えるインパクトを意識しながら、グローバルな人権などのテーマにどのように対応していくか等、今後取り組むべきCSRの方向性のヒントを頂きました。

(株)東芝 CSR推進室
室長 大森圭介