Japan

サステナビリティ

研究開発と知的財産[SDGs] 3 すべての人に健康と福祉を[SDGs] 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに[SDGs] 9 産業と技術革新の基盤をつくろう[SDGs] 17 パートナーシップで目標を達成しよう

東芝グループは、人々の安心・安全・快適な社会の実現をめざし、市場やお客様の声に常に耳を傾け、グループの持つ幅広い技術を多方面に活用することで相乗効果を発揮させ、新たな顧客価値を創出します。また、グローバルな知的財産戦略により、研究開発の成果を最大限活用していきます。

中長期目標

インフラサービスカンパニーとして、性能・機能・品質の優れた製品の提供に加えて、それら製品を通じた顧客との接点を活かしたソリューションにより新たな価値を創造し、社会に貢献する。

2019年度の成果

  • 新型コロナウイルス感染症対策の技術開発を実施
    • 接触機会を減らすスマートレシート
  • 社外とのオープンイノベーションを加速
    • 再エネ利用世界最大級水素施設FH2Rの稼働開始
    • 量子暗号通信技術を用いた全ゲノム配列データ伝送の世界初実証
    • ifLinkオープンコミュニティによる新型コロナウイルス感染症対策アプリ開発
  • 世界知的所有権機関(WIPO)の環境技術移転促進活動WIPO GREENに参画

今後の課題と取り組み

人々の暮らしと社会を支えるエネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、リテール&プリンティングソリューション、デバイス&ストレージソリューション、デジタルソリューションの6事業領域を中心に革新技術を創出し、社会が直面するさまざまな課題をソリューションやサービスの融合で解決するための研究開発を、グローバルに展開していきます。東芝が強みを持っているデバイス・コンポーネントやAIをベースとしたデジタル技術は引き続き研究開発を強化し、さらに東芝IoTリファレンスアーキテクチャを活用してインフラサービスの提供スピードを強化します。すでに東芝IoTリファレンスアーキテクチャを活用した12+αのサービスを開発しており、今後は再利用可能なサービスコンポーネントをベースに、工場でモノをつくるようにサービスをつくっていくことによって、インフラサービスカンパニーとして社外との連携を引き続き強化し、より高い価値を短期間で社会に提供します。

2019年度以降にいただいた社外からの評価

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研究開発

研究開発の方針

人口増加にともなう資源・エネルギー問題や気候変動、環境問題など、私たちが取り組むべき社会課題は多岐にわたり、複雑化しています。東芝グループは、エネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、リテール&プリンティングソリューション、デバイス&ストレージソリューション、デジタルソリューション領域を中心に、SDGs達成への貢献を視野に研究開発のテーマなどを選択したうえで、人々の暮らしと社会を支える事業領域に注力し、確かな技術で、豊かな価値を創造していきます。
エネルギーシステムソリューションでは、従来エネルギーのさらなる安全・安定供給と効率の良い活用を進めます。また、水素を含むクリーンエネルギーをつくる・おくる・ためる・かしこくつかう機器、システム、サービスを提供することで、低炭素社会の実現に貢献していきます。インフラシステムソリューションでは、公共インフラ、鉄道・産業システムなど、社会と産業を支える幅広いお客様に信頼性の高い技術とサービスを提供し、安全・安心で信頼できる社会の実現をめざします。ビルソリューションでは、スマートで品質の高い昇降機、空調機器、照明機器やサービスを提供することにより、快適なビル環境を提供します。リテール&プリンティングソリューションでは、お客様にとっての価値創造を原点に発想し、世界のベストパートナーとともに優れた独自技術により、確かな品質・性能と高い利便性を持つ商品・サービスをタイムリーに提供します。デバイス&ストレージソリューションでは、ビッグデータ社会のインフラづくりをめざし、データセンター向けなどのストレージ領域、産業・車載領域などに向け、新しい半導体製品やストレージ製品の先端開発を進めてまいります。デジタルソリューションでは、産業ノウハウを持つ強みを生かしたIoT/AI(人工知能)を活用したデジタルサービスをお客様と共創してまいります。

研究開発体制

シーズ・コンセプトを起点とした技術主導と、商品企画・ビジネスモデル主導の両面から、目的に合わせて最適な研究開発拠点で研究開発を行っています。中長期的な基礎研究に取り組むコーポレート研究所、中期的な要素技術開発を行うグループ会社の研究開発部門、製品・サービスを実現する製品技術を担う主要グループ会社技術部門に研究・開発の拠点を分け、技術課題の解決に向けて最適な研究開発体制を構築しています。

研究開発体制

研究開発体制

国内外の主要拠点

国内外の主要拠点

研究開発拠点をアメリカ、欧州、中国、インド、ベトナムなどに展開し、東芝グループ国内外技術開発拠点が相互に連携し、グローバルで最先端の研究開発を幅広く行っています。国際的な競争力を高めるために、研究・開発においても市場変化への即応力を高めており、特に市場が拡大する中国・アジアでは、製造拠点だけでなく、エンジニアリング拠点や開発拠点の現地展開を図っています。今後は新興国における研究開発が起点となり、先進国を含めたグローバルな市場に受け入れられる製品を生み出していきます。

研究開発費
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
2,955億円 1,787億円 1,675億円 1,589億円
  • ※ メモリ事業分野に係るものを除く。メモリ事業分野を含めた研究開発費は2,978億円

東芝グループの売上高に対する研究開発費率は、約5%で推移しています。

研究開発費内訳(2019年度)

研究開発費内訳

新型コロナウイルス感染症対策への技術を通じた貢献

顧客との接触機会や混雑を減らし、新型コロナウイルス感染症の感染リスクを低減する「スマートレシート®」とスマートフォンアプリの連携機能 (2020年7月)

新型コロナウイルス感染症の感染リスクを軽減するためには、人と人との接触機会を減らし、「3密」を防ぐことが重要と言われています。東芝テック(株)と東芝データ(株)は、東芝テック(株)が提供する電子レシートシステム「スマートレシート®」を店舗独自のスマートフォンアプリと連携し、会計時のポイントカードレスとペーパーレスを推進します。これにより、ポイントカードとレシートの受け渡しの2つの接触機会を低減します。さらに、東芝データ(株)の支援で、店舗から購買データに基づいた有効日時を指定したクーポンを顧客に発行することで、顧客の来店時間の分散につなげ「3密」の回避を促進し、新型コロナウイルス感染症の感染リスクの軽減に貢献します。東芝テック(株)と東芝データ(株)は、スマートレシート®を活用し、店舗と顧客の双方に付加価値を提供するとともに、新型コロナウイルス感染リスクの軽減に貢献します。

※ 店舗で顧客が会計をする際に、レジでレシート印字データそのものを電子化して提供することができるシステム。顧客はスマートフォンアプリに表示されたバーコードをレジで読み取ってもらうだけで、電子化されたレシートデータを受け取ることができる。

「スマートレシート®」とスマートフォンアプリの連携機能で、会計時のカードレスとペーパーレスを推進し、接触機会の低減に貢献

「スマートレシート」とスマートフォンアプリの連携

社外との連携によるオープンイノベーション

再生可能エネルギーを利用した世界最大級の水素製造施設「FH2R」が稼働開始 (2020年3月)

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東芝エネルギーシステムズ(株)、東北電力(株)、
岩谷産業(株)が、2018年から福島県浪江町で建設を進めてきた、再生可能エネルギーを利用した世界最大級となる10MWの水素製造装置を備えた水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(Fukushima Hydrogen Energy Research Field (FH2R))」が2020年2月末に完成し、稼働を開始しました。9月には東北電力ネットワーク(株)および旭化成(株)を加えて5社とし、期間を2021年3月末から2023年2月末まで延長しています。本施設は再生可能エネルギーなどから毎時1,200Nm3(定格運転時)の水素を製造する能力を持ち、電力系統に対する需給調整を行うことで、出力変動の大きい再生可能エネルギーの電力を最大限利用するとともに、クリーンで低コストな水素製造技術の確立を目指します。

再エネを利用した世界最大級の水素製造施設「FH2R」が完成

水素を用いたエネルギー貯蔵・利用の実用化に向けた技術開発事業の拡充・強化

本事業の全体像

本事業の全体像

量子暗号通信技術を用いた全ゲノム配列データの伝送を世界で初めて実証(2020年1月)

東芝と東北大学東北メディカル・メガバンク機構(以下、ToMMo)は、数百ギガバイトを超えるデータ量の全ゲノム配列データを、量子暗号通信を用いて伝送することに世界で初めて成功しました。今回東芝とToMMoは、大規模データを逐次暗号化・逐次伝送するシステムを新たに開発し、全ゲノム配列データのリアルタイム伝送を実現しました。これにより、量子暗号技術が大容量データの伝送に活用できること、またゲノム研究・ゲノム医療の分野において実用レベルで活用できることを実証しました。東芝は今後も、医療・金融・通信インフラなどの多様なアプリケーションでの量子暗号技術の実用化を目指した取り組みを進めていきます。ToMMoは引き続き、ゲノム情報に基づいた未来型医療の実現に向け、安全・安心なICT技術の活用を推進していきます。

量子暗号通信技術を用いた全ゲノム配列データの伝送を世界で初めて実証

開発したゲノム解析データ伝送システムの概要

開発したゲノム解析データ伝送システムの概要

本研究の一部は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「光・量子を活用したSociety 5.0実現化技術」(管理法人:量子科学技術研究開発機構)によって実施されました。

スマートフォンによる新型コロナウイルス感染症対策をifLinkで他社と共同開発 (2020年4、5月)

東芝および東芝デジタルソリューションズ(株)が設立したifLinkオープンコミュニティは、さまざまなIoT機器やWebサービスをモジュール化することで、ユーザーが自由に組み合わせて便利なしくみを簡単に実現することができるIoTプラットフォームです。ifLinkオープンコミュニティ会員の有志企業で活動している、新型コロナ対策部会(部長:東芝デジタルソリューションズ(株)、副部長:アルプスアルパイン(株)、その他メンバー企業多数)では、現場で導入できる新型コロナ対策ソリューションを発案・試作・実証する取り組みを行っています。ここでは、Bluetooth信号を用いて近接者をカウントしリスク判定するアプリ「AntiCluster」で、混雑緩和による新型コロナウイルス感染症の感染リスクの低減に貢献するため、店舗や施設に設置して周辺人数をカウントするタブレット版の実用化にむけて機能強化を行っています。スマートフォンと赤外線カメラの組み合わせで発熱者を検知するアプリ「ThermoDetector」は、コミュニティの会員であるCOSMOWAY社と連携して、商用化を進めています。これらのアプリは内閣官房や、総務省、経産省などからも評価を頂いており、活動の認知が進んでいる状況です。今後も、たくさんの企業が参加しているifLinkオープンコミュニティの特性を生かして、社会課題の解決に寄与してまいります。

クラスターリスクを判定! 近接人数カウントアプリ「AntiCluster」

サーモグラフィーで熱のある人を発見「ThermoDetector」

※ ifLinkオープンコミュニティは、さまざまな企業・団体に所属する人々がその垣根を超えてオープンに交流しながら「誰もがカンタンにIoTを使える世界」を実現するためのコミュニティです。

ifLinkの概要

ifLinkの概要

「AntiCluster」イメージ図

「AntiCluster」イメージ図

「ThermoDetector」イメージ図

「ThermoDetector」イメージ図

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知的財産

知的財産に関する方針と戦略

東芝グループでは、「知的財産権に関する法令を遵守すること」「会社の知的活動の成果を知的財産権によって保護し、積極的に活用すること」「第三者の知的財産権を尊重すること」を知的財産の基本方針として、「東芝グループ行動基準」で定めています。

また、知的財産を「事業活動や事業貢献のツール」と位置づけ、東芝グループが培ってきたフィジカルとサイバーの強さを支える知財力の強化を継続するとともに、オープンクローズ戦略などCPS(サイバー・フィジカル・システム)事業モデルでの知的財産視点の戦略構想力強化に取り組み、研究開発の成果である知的財産の積極的な活用を通じて、新たな価値を社会に提供していきます。

東芝グループ行動基準 12. 知的財産権の尊重

東芝グループの知的財産戦略

東芝グループの知的財産戦略

特許保有状況

特許保有状況(2019年度の国・地域ごとの割合)
特許保有状況(2019年度の事業領域ごとの割合)

知的財産にかかわる体制

知的財産部門の組織体制は、コーポレートの知的財産室と研究所・主要グループ会社の知的財産部門で構成されています。コーポレートの知的財産室は、知的財産に関する全社戦略・施策の立案・推進、契約・係争対応、特許情報管理、著作権などの知的財産権法対応を行っています。一方、研究所・主要グループ会社知的財産部門は、それぞれの開発・事業領域における知的財産戦略を進め、優れた知的財産ポートフォリオの構築を図るべく、知的財産の強化に取り組んでいます。

知的財産推進体制

知的財産推進体制

WIPO GREENへの参画

東芝は、特許などの知的財産の活用を通じて世界の環境保全に貢献すべく、世界知的所有権機関(WIPO: World Intellectual Property Organization)が運営する、環境技術のグローバルな移転促進のためのプラットフォームWIPO GREENに、環境技術に関する特許権を登録しています。この取り組みを通じて、東芝の環境に関する技術や知的財産を世界へ展開し、気候変動をはじめとする環境に関する社会課題解決につなげることで、SDGsの達成に貢献できるよう、今後も活動していきます。

WIPO GREEN

模倣品対策

東芝ブランドは、東芝グループの企業価値や東芝グループが提供する商品、役務などの価値を象徴するものです。東芝製品の模倣品を放置することは、東芝のブランド価値や社会的信用を脅かすだけでなく、お客様が純正品と誤認して模倣品を購入し、期待通りの製品効能が得られない状況を生じるおそれがあります。そのため、模倣品排除に努めるとともに、国内外の模倣品対策団体とも連携し、現地の政府機関などに対し取締強化を積極的に働きかけています。

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