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放射線を知る

ベクレル、グレイ、シーベルトって何の単位?

ベクレルは放射能の単位、グレイは物質において吸収されるエネルギー、シーベルトは人の被ばくをあらわす量ということを紹介しました。
それぞれの関係は以下となります。

ベクレル・グレイ・シーベルトの関係

ベクレル・グレイ・シーベルトの関係

○放射能の単位ベクレル

放射能と放射線は何が違う?」の項で簡単に説明しましたが、放射能の単位はBq(ベクレル)といいます。これは1秒間に発生する原子核の壊変数となっています。つまり、10Bqの放射能を持つ放射性物質では、1秒間に10個の原子核が壊変して放射線を出していることをあらわしています。     

かつては放射能の単位としてCi(キュリー)が使用されていました。
この量は、ラジウム1 gの放射能として定義されていましたが、現在では1 Ci=3.7×1010 Bq(=37 GBq)と定義されています。

○吸収線量の単位グレイ

放射線の被ばくと放射線防護」の項で吸収線量の単位Gy(グレイ)について説明しました。
グレイは放射線が物や人に当たったときに、どれくらいのエネルギーを与えたのかを表す単位で、1グレイは1キログラムあたり1ジュール(1 J/kg)のエネルギー吸収があった時の放射線の量をあらわします。     

かつては吸収線量の単位としてrad(ラド)が使用されていました。
SI単位ではなくCGS単位系の時代、1ラドは1グラム(0.001キログラム)あたり100エルグ(0.00001ジュール)のエネルギー吸収があった時の放射線の量です。
現在は1 rad=0.01 Gyと定義されています。     

○線量の単位シーベルト

シーベルト(Sv)も「放射線の被ばくと放射線防護」の項で説明しました。
放射線による人体への影響を表す単位で、等価線量と実効線量があります。
等価線量は各臓器に着目するもので、その臓器の吸収線量グレイに放射線荷重係数をかけて算出すること、実効線量は人体の各臓器の等価線量に組織荷重係数をかけて、合計して算出することを説明しました。     

かつては線量当量の単位としてレム(rem:roentgen equivalent in man and mammal)が使われていました。現在の単位と比較すると1 rem=10 mSvです。     

○照射線量の単位(クーロン毎キログラム)

照射線量とは、X線やγ線等の光子が、単位空気中に生成する二次電子の電荷の量と定義されます。単位はクーロン毎キログラム(C/kg)となります。
1 C/kgは1キログラムの空気への照射で1クーロンの二次電子による電荷を発生させるような放射線量のことです。     

かつては照射線量の単位としてレントゲン(R)が用いられていました。1レントゲンは、1立方センチメートルの空気に1静電単位(esu)のイオン対を形成する放射線量としました。
1 R=2.58×10-4 C/kgとなります。     

同じような量としてカーマというものがあります。
こちらは非荷電粒子(X線やγ線等の光子及び中性子)が物質中に生成する全電荷の量であり、単位はJ/Kg(=グレイ)となります。難しいですね。     

○まとめ

今回出てきた単位を表にまとめてみました。

ベクレル,グレイ,シーベルトなどの単位表
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