デジタルサイネージ・業務用ディスプレイ導入事例公共施設川崎アゼリア株式会社 様

延べ床面積国内3位の地下街「川崎アゼリア」における防災力の向上を図るため
サイネージを活用し災害時の情報伝達システムを実現

川崎アゼリア株式会社 様

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JR川崎駅東口にある「川崎アゼリア」は、国内3位の延べ床面積の広さを持つ、日本でも屈指の地下街です。同地下街は1986年に開業しましたが、老朽化が進んだことから2013年からリニューアル工事を計画。2014年、同地下街は川崎市と連携して国土交通省が推進する「地下街防災推進事業」へ応募、第一号事業に採択されました。これを受けて同地下街は、防災対策の強化を図るとともに、もともとは販促ツールとして設置予定だったサイネージを、災害発生時の情報伝達システムとしても利用できるように決定。万が一のときにはコンテンツが自動で切り替わる仕組みを構築し、防災面での活用というサイネージの新たな可能性を示しました。

川崎アゼリア株式会社 様

JR川崎駅(神奈川県川崎市)東口にある地下街「川崎アゼリア」の運営会社。1986年に開業した同地下街は、地下駐車場を含む地下2階層全体の延べ床面積が約56,468m²(東京ドーム約1.2個分)と国内3位の広さを誇る。2016年には全面リニューアルを行い、防災力の向上も図っている。

大森 高樹 様
【インタビューイ:取材協力】
株式会社日建設計シビル
エンジニアリング部門
CM・防災部長
大森 高樹 様
 川崎アゼリア
【導入ユーザープロフィール】
社名:川崎アゼリア株式会社
開業日:1986年10月1日
本社:神奈川県川崎市川崎区駅前本町3-1
資本金:50億円
導入商品

選定のポイント

  • アゼリアビジョンほか川崎市での実績が豊富だったこと
  • 防災に対し積極的に取り組んでいること
  • 導入後もパートナーとして相談や提案が期待できること

老朽化した地下街のリニューアルに合わせ、防災力も向上させたい

導入の経緯

導入の経緯

首都圏を代表するターミナル駅のひとつであるJR川崎駅。その東口に広がっている地下街が「川崎アゼリア」です。同地下街は国内3位の延べ床面積の広さを持つ、日本でも有数の地下街ですが、開業(1986年)から28年以上たっていることもあり、同地下街の運営会社である川崎アゼリア株式会社はリニューアル工事を行うことを決めたのですが、このプロジェクトでコンストラクション・マネジメント※を任されたのが株式会社日建設計シビルです。

同社は2001年に株式会社日建設計の土木部門が独立してできた会社で、都市開発、中でも駅など交通結節点の計画・設計・監理などを数多く手掛けてきた、土木設計のスペシャリストです。地下街における実績も豊富で、全国にある主要な地下街のほとんどに関わっています。同社のエンジニアリング部門 CM・防災部長の大森高樹氏は、当時のいきさつについて「2013年にリニューアル工事の話が持ち上がったとき、ちょうど国土交通省都市局が2016年からの新たな補助事業として『地下街防災推進事業』を策定したところでした。そこで、この事業の補助金を活用し防災力の向上も図ってみてはどうかと提案したのです。」と振り返ります。

この提案の背景には、同地下街が帰宅困難者の一時滞在施設として指定されたことがありました。そこで同地下街はこの提案を採用。川崎市と連携して応募したところ、第一号事業として実施されることになったのです。

これを受けて川崎アゼリア株式会社は、避難に供する公共地下通路の天井点検、非難に供する階段誘導するための蓄光材設置など通常の防災対策を進めるのと同時に、新しい試みとして災害時の情報伝達にサイネージを活用することを決めました。「というのも、川崎アゼリアではリニューアルに合わせ、広告を従来の紙を使ったものからサイネージに切り替えることを検討していたからです。せっかくサイネージを導入するのですから、災害時に有用な情報を提供できるようにし、より有効に活用したいと考えました。」(大森氏)

基本計画、設計、工事発注、施工、維持管理までの各執行段階もしくは全体に対しての各種マネジメント業務の全部又は一部を行うこと。

災害時にコンテンツが自動で切り替わり、停電時でもニュース番組が映るサイネージを

導入時の課題と要望

非常時のコンテンツ表示例
非常時のコンテンツ表示例

これまでにも、サイネージを防災面で活用している地下街がなかったわけではありません。例えばJR名古屋駅にある地下街がそうです。しかし、こちらのサイネージはあくまで地下街単体で運用しているもので、自治体などが発信している災害情報をコンテンツとして流すことはしていません。

「単体での運用ですと、どうしてもコンテンツの内容に限界があります。また、このシステムは災害時のコンテンツを流すとき、職員が手動で切り替える必要があり、災害に遭った際にそこまで余裕がなかったらどうするという問題が指摘されていました。今回の導入では、こうした点を解消する必要がありました。」(大森氏)

また、このほかにも、停電時にもコンテンツ表示が可能なこと、NHKほかテレビ放送を流せること、音声がきちんと出ることなどが要件として挙がりました。これについて大森氏は「街中で見かけるサイネージは、音の出ないものがほとんどです。しかし、災害時には緊急ブザーで警告を行ったり、ニュース番組などを流して情報を提供したりする必要があるため、“音が出る”というのは重要なポイントでした。」と解説します。

川崎アゼリアが求めた3条件に加え、アゼリアビジョンの実績が決め手に?

選定のポイント

選定のポイント

川崎アゼリア株式会社は2015年年初、東芝グループを含む3社に対し、システムについての提案を求めましたが、その際には提案の内容に加え、以下の3条件を企業に求めました。第1に、川崎市における実績があること。第2に、企業として防災に対し積極的に取り組んでいること。第3に、導入して終わりではなく、その後もパートナーとして相談や提案が期待できることです。

「私たち日建設計グループも、地下街の開業からずっと川崎アゼリアに寄り添い、相談を受けたり、課題解決のための提案を行ったりしてきました。今回の導入においても、そうした関係を築けるパートナーを求めたのです。」(大森氏)。

2015年7月、川崎アゼリア株式会社は東芝グループの提案の採用を決めました。その理由について大森氏は「詳しいことは聞いていないのですが」と前置きした上で、3条件を満たしていることに加え「先に東芝グループが納入したアゼリアビジョン(※)の実績が決め手になったのでは。」と推測します。

選定後は、川崎アゼリア株式会社と株式会社日建設計シビル、東芝グループ、さらに川崎市(危機管理室市街地整備)の担当者が集まって毎月検討会を開き、サイネージを防災面でどのように活用していくか、コンテンツの表示をどうするかなど、長い時間をかけて細部を詰めていきました。サイネージの設置場所や文字/音の大きさの最適解を追求するため、モックアップやサイネージを現場に仮設置し、参加者からの意見を集めたこともありました。また、運用に携わる防災センターの担当者に使い勝手等について意見をもらい、操作画面をブラッシュアップしていきました。

かくしてシステムは完成し、2016年2月中には工事も完了。中央広場に70インチのディスプレイを2台、東西南北の広場に55インチのディスプレイを4台、合計6台のサイネージを設置しました。いずれのサイネージも強化ガラスのケースに収めた上で非常用電源に接続し、停電時のコンテンツ表示を可能にしました。

JR川崎駅東西自由通路に設置された400インチのフルカラーLED大型映像表示装置

外部からも高い関心、防災力向上のための取り組みは続く

導入効果と将来の展望

導入効果と将来の展望

大森氏は「駅周辺地区の防災力の向上が図れたことで、災害時の一時滞在施設としての安心感も高まったと思います。おかげさまで外部からの関心も高く、全国の地下街の関係者や行政の担当者などが視察に訪れるようになりました。」と語っています。

国の補助金を使ったかたちでの川崎アゼリア地下街防災推進事業は2015年度をもって終了しましたが、防災力向上の取り組みが終わったわけではありません。

「将来的にはサイネージでゲリラ豪雨など水害の情報やテロ対策の状況などを流せるようにしたいと考えています。併せて、非常時に流すストックコンテンツの作成や、高齢者や外国人など災害弱者への対応の充実を図っていくことを川崎アゼリアと協働しながら計画しています。」(大森氏)

川崎アゼリアは今後も防災面へ積極的に取り組むことで、訪れる人がショッピングや飲食を安心して楽しめる空間として発展・成長していくことでしょう。

  • 販売元 :東芝エレベータ株式会社
  • システム開発:ES東芝エンジニアリング株式会社
  • 業務用ディスプレイ販売:東芝映像ソリューション株式会社

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  • 本文に記載されている社名・商品名・サービス名などは、それぞれ各社が商標として使用している場合があります。
  • この記事は2016年9月7日に取材した内容を元に構成しています。記事内における数値データ、会社名、組織名、役職などは取材時のものです。
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