ジャパンラグビートップリーグ
2018-2019 カップ戦 第1節
2018年11月10日(土)11:30〜
町田市立野津田公園陸上競技場
東芝ブレイブルーパス | 49 − 27 | 豊田自動織機シャトルズ |
- 49
- 27
チーム名 | 時間 | T | G | P・G | D・G | 小計 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
前半 | 3 | 3 | 0 | 0 | 21 | 49 | |
後半 | 4 | 4 | 0 | 0 | 28 | ||
前半 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 27 | |
後半 | 4 | 2 | 0 | 0 | 24 |
出場メンバー
- 1金 寛泰
- ○2橋本 大吾
- 3藤野 佑磨
- 4李 聖彰
- 5梶川 喬介
- 6山本 紘史
- 7藤田 貴大
- 8ヘンコ・フェンター
- 9藤原 恵太
- 10森田 佳寿
- 11松岡 久善
- 12ジョニー・ファアウリ
- 13東口 剛士
- 14ジョネ・ナイカブラ
- 15豊島 翔平
- 16湯原 祐希
- 17田中 圭一
- 18深村 亮太
- 19梁 大煐
- 20松田 圭祐
- 21大島 脩平
- 22渡邊 太生
- 23ニコラス・クラスカ
○印 ゲームキャプテン
交替
前半 | ||
---|---|---|
後半 | ||
---|---|---|
10分 | 松田 圭祐(藤田 貴大) | 入替 |
19分 | 湯原 祐希(橋本 大吾) | 入替 |
深村 亮太(藤野 佑磨) | 入替 | |
23分 | 田中 圭一(金 寛泰) | 入替 |
大島 脩平(森田 佳寿) | 入替 | |
ニコラス・クラスカ(ジョネ・ナイカブラ) | 入替 | |
25分 | 梁 大煐(梶川 喬介) | 入替 |
35分 | 渡邊 太生(東口 剛士) | 入替 |
一時
前半 | |
---|---|
後半 | |
---|---|
カード
前半 | |
---|---|
後半 | |
---|---|
トライ
前半 | |
---|---|
9分 | 藤原 恵太 |
17分 | ジョネ・ナイカブラ |
41分 | 橋本 大吾 |
後半 | |
---|---|
3分 | 森田 佳寿 |
6分 | 松岡 久善 |
31分 | 藤原 恵太 |
39分 | 田中 圭一 |
今年新設されたトップリーグカップ戦のプール戦が11月10日に開幕しました。
このカップ戦は、日本代表の活動期間中も国内ラグビーを盛り上げるために、各チーム代表選手以外のメンバーで戦う大会です。
チームによっては代表選手を多数派遣していることから、選手数確保のために外国人選手で補うことが認められています。そのため、普段は制限のある外国人選手枠がこの大会では撤廃され、より高いレベルの試合も期待できる大会となります。
各チーム思惑はそれぞれで、ベストメンバーを揃えるチーム、トップリーグで出場機会の少なかった選手を中心としたチーム、多くの選手に経験を積ませるために若手中心で組むチーム、と様々なチーム編成となりました。
東芝は、「チーム内で今一番エネルギッシュであり、体を張れる、チームへの思いが強い選手」というセレクションポリシーのもと、メンバーを選びました。
その選考基準の中、初めて公式戦のファーストジャージを掴んだ選手2名を紹介いたします。
まずは、この試合のメンバーの中で一番と言っていいほどエネルギッシュで、かつ、試合へのハングリーさが、そして何よりチームへのロイヤリティーが一番強い選手である、13番の東口選手です。
彼は、3年目の選手ですが、1年目・2年目は不運な怪我により、リハビリ生活を余儀なくされる時期が続きました。しかし、そんな辛い時期も常にポジティブに取り組み、着実に力を蓄えてきました。復帰後は、グラウンド内で皆を鼓舞して駆け回り、練習後も最後まで残ってスキルアップを意識し続けてきました。トップリーグ期間中はBチームに属し、Aチームに対して非常に良い刺激を与え続け、選手・スタッフ全員からの信頼を積み上げ、チーム内での評価を着実に上げてきました。そして今回、トップリーグでは中々思うような成績を上げることが出来ず少しエネルギー不足のチームへの起爆剤となるべく、当然のスタメン起用となりました。
2人目は、今年度唯一の日本人新加入選手である、3番の藤野選手です。
3番のポジションは、東芝ではここ数年、日本代表である浅原選手が出場し続け、非常に競争の厳しいポジションです。この牙城を崩すべく、知念選手・深村選手と共に、新人の藤野選手もチャレンジしてきました。その中で、藤野選手は、日々の練習後、FWコーチを捕まえて個人練習を続け、自分に足りないものを必死に補おうと、春から地道に練習を積み重ねてきました。ユーモアあふれる性格も功を奏して徐々にチームの信頼を勝ち取り、練習中も大きな声で檄を飛ばして盛り上げ、その真面目で前向きな姿勢が今回の大抜擢に繋がる結果に結びつきました。デビュー戦は、日々の練習の成果を発揮してアピールする為には絶好の機会となりました。
そんなエネルギッシュな選手で構成された今回のメンバー。前日のジャージプレゼンテーションでも各々が熱い思いを語り、ファーストジャージの重みと責任を噛みしめていました。
迎えた試合当日。快晴の町田市野津田陸上競技場にて、豊田自動織機(以下織機)のキックオフで試合が始まります。
先制こそ織機のPGでしたが、直後のキックオフからボールを確保し、今シーズン一番勢いがあったと思われる、雪崩のような全員の継続攻撃で、相手陣深くまで侵入します。
前半8分:ゴール前ラインアウトをモールで押し込んだ後、ラックを重ね、最後は9番藤原がトライを奪います。(東芝7−3織機)
その後、東芝陣ゴールラインのギリギリまで攻め込まれますが、最後まで諦めないディフェンスで守り切り、相手のミスを誘います。
前半16分:織機がゴール前でノックオンしたボールをすかさず展開し、インゴール内から13番東口が思い切りよくカウンターを仕掛けて相手ディフェンスを振りほどきながら40m駆け抜けると、サポートについていた14番ジョネ→9番藤原と繋いで一気に織機ゴール前まで攻め込み、最後はラックから再度14番ジョネが持ち出して連続トライを奪います。(東芝14−3織機)
その後も、久しぶりの試合となる10番森田を中心に試合を有利に進め、1人1人がしっかりとドライブし、相手の背後に出てすかさずオフロードパスを繋ぐなど、スタンディングラグビーが徐々に機能してきます。
前半40分:8番フェンターのジャッカルにより相手ボールをターンオーバーして、相手陣深くでモールのチャンスを得ると、そのモールを押し込みペナルティーのアドバンテージを得ます。前半終了のホーンが鳴る中、10番森田がそのアドバンテージを上手く使い相手ディフェンスの裏のインゴールにキックで転がすと、この試合ゲームキャプテンの2番橋本が素早く反応してグラウンディングしトライを奪い、大きくリードして前半を折り返します。(東芝21−3織機)
後半に入っても、東芝は更に勢いを増して攻め込みます。
後半2分:連続攻撃の中で、10番森田の仕掛けから空いたスペースへ、13番東口がスピード良く走り込み大きくラインブレイクすると、再度10番森田へオフロードパスを繋ぎトライを奪います。(東芝28−3織機)
後半5分:ハーフウェイ付近で15番豊島が相手ボールをインターセプトすると、すかさず展開し、1番金→10番森田→13番東口→14番ジョネと繋ぎ、最後は11番松岡が2人交わして豪快に40mを走り切りトライを重ねます。(東芝35−3織機)
その後、織機に後半8分・27分と2本のトライを返され、今までの東芝であれば、このままズルズルと点を詰められてしまっていましたが、この日は違いました。(東芝35−17織機)
交替して入った16番湯原、18番深村がスクラムでプレッシャーをかけてペナルティーを奪うなど、セットプレーを圧倒して敵陣深くまで攻めます。
後半30分:相手のキックから、15番豊島と11番松岡がカウンターを仕掛けて相手の裏へ出てそのまま継続すると、8番フェンターが相手のディフェンスの隙を上手く突いてラインブレイクし、サポートについていた9番藤原が駆け抜けトライを奪います。(東芝42−17織機)
織機も再度トライを返し反撃に出ますが、東芝も我慢強い継続からアタックを続け応戦します。(東芝42−22織機)
後半38分:敵陣10m付近でのラインアウトから、6フェーズを重ねる中で、15番豊島のラインブレイクなどで前に出ます。そして、12番ファアウリが良い角度で切り込み、相手を引きずりながらゴールライン直前までドライブすると、最後はサポートについていた17番田中がトライします。(東芝49−22織機)
最後に織機に1本トライを奪われて試合終了となり、課題は残ったものの、久しぶりの勝利を大量得点で飾ることが出来ました。(東芝49−27織機)
この試合で目立った部分はもちろん、若いエネルギッシュな選手が躍動したところでしたが、全体的にも、全員が思い切りの良いプレーをしていたことがとても印象的でした。
春から取り組んでいた、立ってボールを繋ぐスタンディングプレーが多々見られたことは、トップリーグのリーグ戦において出来なかったことがしっかりと修正出来ている証拠であると思います。
また、選手全員のボールに対する執着心や、自分が責任をもってボールを前に運ぶという意思が伝わる試合であったと思います。
ディフェンス面など修正すべきポイントはまだまだありますが、「これが東芝だ」というメッセージの伝わるプレーが多く見られたことは、ポジティブに捉えられる傾向であると思います。
次節のトヨタ戦は、格上の相手に対してどれだけチャレンジングにプレーができるかということを意識して臨んでいきます。
グラウンド上の選手から聞こえる力強い声に呼応していただくような大きなご声援を、次戦もどうぞよろしくお願い致します。