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ジャパンラグビートップリーグ
2018-2019 11位決定戦

2018年12月15日(土)11:30〜 
パロマ瑞穂ラグビー場

東芝ブレイブルーパス 31 − 18 キヤノンイーグルス
31
東芝ブレイブルーパス
18
キヤノンイーグルス
試合結果のスコアボード
チーム名 時間 T G P・T P・G D・G 小計 合計
東芝ブレイブルーパス 前半 2 2 0 1 0 17 31
後半 2 2 0 0 0 14
キヤノンイーグルス 前半 1 0 0 1 0 8 18
後半 1 1 0 1 0 10

出場メンバー

  • 1三上 正貴
  • 2森 太志
  • 3深村 亮太
  • 4梶川 喬介
  • 5大野 均
  • 6リーチ マイケル
  • 7藤田 貴大
  • 8ヘンコ・フェンター
  • ○9小川 高廣
  • 10中尾 隼太
  • 11宇薄 岳央
  • 12渡邊 太生
  • 13東口 剛士
  • 14ジョネ・ナイカブラ
  • 15豊島 翔平
  • 16湯原 祐希
  • 17金 寛泰
  • 18浅原 拓真
  • 19ジェームス・タッカー
  • 20山本 紘史
  • 21藤原 恵太
  • 22ジョニー・ファアウリ
  • 23松岡 久善

○印 ゲームキャプテン

交替
交替前半の一覧表
前半
16分山本 紘史(ヘンコ・フェンター)入替
交替後半の一覧表
後半
11分浅原 拓真(深村 亮太)入替
ジェームス・タッカー(大野 均)入替
15分湯原 祐希(森 太志)入替
24分ジョニー・ファアウリ(東口 剛士)入替
39分藤原 恵太(小川 高廣)入替
金 寛泰(三上 正貴)入替
一時
一時の前半一覧表
前半
  
一時の後半一覧表
後半
  
カード
カードの前半一覧表
前半
  
カードの後半一覧表
後半
  
トライ
トライの前半一覧表
前半
16分ジョネ・ナイカブラ
28分ジョニー・ファアウリ
トライの後半一覧表
後半
23分湯原 祐希
37分山本 紘史

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レビュー

8月31日に開幕したトップリーグも、ついに最後の試合を迎えました。
最終戦は、奇しくも開幕戦で敗れたキヤノンとの対戦です。
8月から約4ヵ月間トップリーグを闘い抜き、どれだけ成長したのかを実感するためには、開幕戦と同じ相手と闘えるということは非常にいい条件です。
そして、1月のカップ戦には日本代表に選ばれた選手が出場できないことから、このチーム、このメンバーで練習・試合ができる最後の1週間となります。
前週のNEC戦での敗戦から、マインドセットを整え、チームを立て直すために、選手・コーチ一丸となり、ここまでの試合を振り返りながら、自分たちのやるべきこと、準備できることを考えます。
試合に出ていない選手の気持ちをしっかりと汲み、試合に出場する選手は、チームメイトにもファンにも恥ずかしくない試合をするために、一つ一つの練習を大事に一週間過ごしました。
この週で一番変わった点は、選手同士のミーティングを選手発信で行うことが非常に多くなったということです。
この時期になると、スキル云々よりも、その試合にかける想いが大事であり、選手一人一人が相手にどんなプレーを仕掛けることが一番効果的か、自分ができる相手の嫌がるプレーは何か、チームに対して自分ができることは何か、想いの強さでプレーの発想力や実行力が変わってきます。
みんなでより多く話し合いそれぞれが発言することで、全員がその試合に向けての想いを共有することができます。それこそがチーム力であり、東芝の素晴らしい伝統であると思います。

迎えた試合当日、名古屋市パロマ瑞穂球技場は快晴となり、最後の試合をやり切るにふさわしい絶好のラグビー日和となりました。
前半はキヤノンのキックオフから試合が始まります。
まずはキヤノンが仕掛け、開始1分でペナルティーを得てPGを決めて先制します。(東芝0−3キヤノン)
ここから15分間お互い準備してきたことを出しながら戦い、中々スコアは動きません。
拮抗を破ったのは、今シーズン絶好調の14番ジョネでした。
前半15分:キヤノン陣20m付近でのスクラムから、9番小川が持ち出し、走り込んできた14番ジョネにパスすると、キヤノンDFを2人吹き飛ばし、追ってきた2人を振り切り、そのままポール下まで走り切り、中央にトライを決めます。(東芝7−3キヤノン)
その後、お互いキックを上手く使いながら攻撃の起点を探ります。
この試合、キヤノンが拘った部分は、ブレイクダウンでした。
東芝とNECの試合において、NECがブレイクダウンで非常に激しいファイトをしてきたことにより東芝がリズムを作れなかった、というキヤノンの分析からなのか、この試合でも激しくファイトしてきます。
東芝はNEC戦の反省をしっかりと活かし、下がらず応戦しますが、まだまだキヤノンに煽られる場面も多く、今後も継続して修正しなければいけないと感じた場面でもありました。
東芝はDFで前にしっかり出て相手を止めますが、キヤノンも引きません。
タックルされても素早くボールを繋がれてトライを奪われ、逆転されてしまいます。(東芝7−8キヤノン)
しかし、このまま沈むことなく動き出します。
前半27分:中盤のラインアウトから連続攻撃が始まると、20番山本が相手DFのギャップを上手く突いてビッグゲインして攻め込みます。その結果、相手陣残り10mでスクラムのチャンスを得ます。そのスクラムから、一時交代で入っていた22番ファアウリが力強いランで見事突破し、トライを取り返します。(東芝14−8キヤノン)
前半残り10分。追加点がほしいところでしたが、逆に攻め込まれ、トライを許しますが、ここはリーチのファインタックルにより、TMOの結果トライは認められず、間一髪で凌ぎます。
そして、ピンチを耐え続けて越えれば、必ずチャンスは訪れます。
前半40分:13番東口が自陣から攻めて相手DFを突破し、14番ジョネへ繋ぐと、キックでさらに深いエリアを獲得し、キヤノンの反則を誘います。そのPGを9番小川が難なく決め、まずは前半リードで折り返します。(東芝17−8キヤノン)

後半になり、リードを広げるために、前半から好調の6番リーチを中心にラインブレイクしますが、ミスでラストパスが通りません。
前半からの勢いは衰えること無く攻め続けますが、キヤノンの好タックルによりあと一歩のところでターンオーバーされてしまいます。
結果として得点には繋がらなかったものの、アタックの流れの中で、ゴール前のペナルティーにおいてPGを狙わずにスクラムを選択したところは、FWの拘りの見えた部分であり、選手の成長を感じる部分でもありました。
このような拘りを選手たちがもつことによりチームのスタイルが決まる、といっても過言ではありません。今後に期待できる一幕でした。
しかし、いくら今後の成長を感じても、現状の試合は得点を取らなければ流れは相手へと移ってしまいます。
二度のペナルティーとラインアウトミスがあり、自陣で相手にボールを渡してしまっているようでは、なかなか守り難くなってきます。ターンオーバーされたボールを繋がれ、後半もキヤノンに先制されてしまいます。(東芝17−15キヤノン)
東芝ペースで試合を進めていたこともあり、もっと点差があるような感覚でしたが、やはりどれだけ主導権を握って攻め続けても、得点に繋がらなければこの点差で小さくまとまってしまう、と思い知らされました。
しかし、この日のチームは非常に落ち着いており、点差よりも、内容を肌で感じながら皆がプレーできていました。
中盤でボールを継続しながら、相手DFのポジショニングをよく見ていた10番中尾が、相手の背後を取るキックを使いエリアを上手く獲得しながら、相手を翻弄します。
後半22分:まずはゴール前ラインアウトにおいて、モールでプレッシャーをかけてペナルティーを奪います。たとえ相手がペナルティー覚悟で止めてきたとしても、何度でもモールを組んで獲ってやる、という拘りを見せ続け、最後はBK選手もモールに入って押し込みゴールラインを越え、キヤノンを突き放します。(東芝24−15キヤノン)
その後、キヤノンにPGを返されますが、DFラインは崩されること無く、ゴールラインを死守します。(東芝24−18キヤノン)
東芝の拘りを出せていても、点差は6点。集中力を切らすわけにはいかない時間帯です。
後半37分:ラスト3分。中盤から継続してアタックする中で、まずは14番ジョネがこの時間帯でも落ちないスタミナで走りゲインを切ると、FWも力強く走り込み、最後は20番山本がインゴールになだれ込んでトライを奪い試合を決定づけ、そのままノーサイドとなりました。(東芝31−18キヤノン)

この試合の結果、2018-2019シーズンのトップリーグは11位で幕を閉じました。
この結果には当然満足も納得もいきません。ただただ残念です。
シーズン初めに掲げた目標はもちろん優勝。
優勝という目標が高すぎるのではないか、もっと現実をみて目標設定しなければいけないのではないか。そんなことさえ考えさせられるほどの順位でした。
これが今の実力です。
しかし、今後取り組むべきことは、とてもシンプルです。
今の実力を受け入れ、分析して、修正し、そして実行するだけです。
スキル面は、ハードワークを続け、とことんやり込んで体に染み込ませることで、レベルを上げることはできると思います。
しかし、今の優先順位は、スキル面の構築ではなく、何のためにラグビーをやっているのか?何のために勝つのか?という、メンタル面の分析と再認識をすることです。
キヤノン戦後、今シーズンの残りの時間をどのような姿勢で臨むか、皆で話し合いました。
もう一度、主体性をもってやりきること。
東芝ラグビー部とは。
この部分においてファンの皆さんに何か確かなものを感じてもらえるラグビーを、もう一度目指します。
残り2戦、最後までどうぞご声援よろしくお願いします。