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ジャパンラグビートップリーグ 2020 第1節

2020年1月12日(日)14:00〜 秩父宮ラグビー場

東芝ブレイブルーパス 26 − 19 サントリーサンゴリアス
26
東芝ブレイブルーパス
19
サントリーサンゴリアス
試合結果のスコアボード
チーム名 時間 T G P・G D・G 小計 合計
東芝ブレイブルーパス 前半 2 1 0 0 12 26
後半 2 2 0 0 14
サントリーサンゴリアス 前半 1 1 0 0 7 19
後半 2 1 0 0 12

出場メンバー

  • 1三上 正貴
  • 2森 太志
  • 3深村 亮太
  • 4梶川 喬介
  • 5小瀧 尚弘
  • 6シオネ・ラベマイ
  • 7マット・トッド
  • 8リーチ マイケル
  • ○9小川 高廣
  • 10ジャック・ストラトン
  • 11松岡 久善
  • 12ティム・ベイトマン
  • 13リチャード・カフイ
  • 14桑山 聖生
  • 15豊島 翔平
  • 16橋本 大吾
  • 17田中 圭一
  • 18知念 雄
  • 19山本 浩輝
  • 20李 聖彰
  • 21大島 脩平
  • 22中尾 隼太
  • 23ジョネ・ナイカブラ

○印 ゲームキャプテン

交替
交替前半の一覧表
前半
22分中尾 隼太(豊島 翔平)入替
交替後半の一覧表
後半
13分知念 雄(深村 亮太)入替
22分橋本 大吾(森 太志)入替
31分李 聖彰(シオネ・ラベマイ)入替
ジョネ・ナイカブラ(桑山 聖生)入替
34分山本 浩輝(小瀧 尚弘)入替
一時
一時の前半一覧表
前半
  
一時の後半一覧表
後半
  
カード
カードの前半一覧表
前半
  
カードの後半一覧表
後半
  
トライ
トライの前半一覧表
前半
8分シオネ・ラベマイ
42分小川 高廣
トライの後半一覧表
後半
21分松岡 久善
30分三上 正貴

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概要

ジャパンラグビートップリーグ2020の第1節は1月12日(日)に秩父宮ラグビー場にて、サントリーサンゴリアスと対戦した。前半8分、敵陣ゴール前での右ラインアウトを起点に、FWがサイドを攻め込み最後はラベマイがトライ、小川のゴールも決まって7-0。前半20分、ゴール前ラインアウトから連続攻撃され左隅にトライを奪われる7-7。前半42分、FWの連続攻撃で攻め込むと、べイトマンが右サイドを抜け出しゴール前まで迫り、最後は小川がラックサイドを突いてトライ、12-7で前半を折り返す。後半7分、相手チームが左から右に大きく展開し、松島のロングパスでリーがトライ、12-12の同点とされる。後半21分、敵陣ゴール前センタースクラムから左に展開すると、最後は松岡がトライ、小川のゴールも決まり19-12とする。後半30分には、ゴール前連続攻撃から最後は三上がねじ込みトライ、小川のゴール成功で26-12。36分には相手チームに1トライ返されるも最終スコア26-19で勝利した。

レビュー

空前絶後のラグビー熱を発したW杯から約2ヶ月。ついに1月12日(日)、ジャパンラグビートップリーグ2020シーズンが各地で開幕いたしました。

今シーズンも、採用普及担当の望月が、チームスタッフならではの視点より、毎試合レビューをお届けいたします。
今シーズンは少し趣向を変え、試合経過よりも、試合前の状況や試合後の雰囲気など、ファンの皆さんからは見えにくい部分を中心にお届け出来ればと思っております。
今シーズンも、どうぞ宜しくお願いいたします。

東芝のトップリーグ初戦は、同じ府中市に拠点を置く永遠のライバル、サントリーサンゴリアスとの試合でした。

今シーズンは、昨年9月に新たに就任したトッド・ブラックアダーHCを筆頭に、ジョー・マドックBKコーチが加わり、東芝ラグビー部としては、史上初めて外部からHCが就任するという、大変革のスタートとなりました。
指導者のトップが交代することで、今までと全く違う東芝に変わってしまう可能性も考えられる中、ブラックアダーHCが合流して、最初にチームに投げかけたことは、『東芝スタイルの文化を、余すところなく全て教えて欲しい』というものでした。
それは、今までの東芝の骨組みをゼロにしてチームを創り上げるのではなく、これまでの持ち味に加え、彼の有するNZクルセイダーズのトップチームマインドを注入する、ということが目的でした。東芝の型を決して否定することなく、そこへ新たなものを積み上げるという手法であり、東芝の文化に対して敬意を払うという、トップコーチならではの素晴らしい流儀でした。

その中で、彼が一番強く皆に伝え続けたことは、『東芝という狼を一匹ではなく、群れで闘う集団にしよう』というものでした。
「チームワーク」や「一体感」という纏まりに関しては、トップリーグ内においても随一であると我々も自信がありましたが、彼は、その強みをより分かりやすく、そして見えやすく皆に提示して、常に意識させることに拘り続けました。

すると、自分たちの揺るぎない強みであったはずの「纏まりのあるファミリー感」は、闘う集団にはどこか相応しくない、物足りないものだったのではないか、と気付かされたのです。
彼は、就任後すぐにその盲点を見抜き、東芝をトップリーグで名実ともに一番纏りのある闘う集団へと進化させ、しっかりと身のある「勝つ」準備を進めていきました。

開幕戦前日のジャージプレゼンテーションは、例年通り毎試合違う人から手渡されるスタイルを継続し、プレゼンターは今シーズン共同キャプテンに就任した徳永祥尭が務めました。
徳永はこの試合、メンバーには入らなかったものの、キャプテンとしてチームを鼓舞して引っ張り、ここまでの準備に深く関わってきました。
自分が試合に出られないもどかしさもある中で、開幕戦にメンバー入りした選手やメンバー外の選手・スタッフに対して、次のようなメッセージを送りました。
「今年のコーチ陣が、今まで以上に選手のことを考え、選手主体でより自主性をもって行動するように促してくれた結果、今このチームは、選手自らがしっかり考えることが出来るチームになっています。今年も良い若手が入ってきてくれていて、聖生(桑山)が早々に開幕スタメンに入りましたが、それに対して何ら驚きはありません。彼は、オフ日にもグラウンドへ来て走ったり、キックしたり、黙々と努力を続けていました。自主性を持って行動している選手にきちんと結果がついてくることは、必然だったのだと思います。
また、先日、OBの方が例年以上に大所帯で激励に来てくれました。引退しても東芝のタテ・ヨコの関係は繋がっていて、そんな部分も含めて、東芝ファミリー、東芝ウルフパックであると感じました。
そして、ノンメンバー組は、今週の試合に向けて並々ならぬハードワークをしてくれました。ですから、間違いなく良い準備が出来ていると信じ、自信を持って試合に臨んでほしいと思います。
今シーズンは、23人ではなく、ノンメンバー、コーチ陣、スタッフ、そしてファンの皆さんをも巻きこみ、自分たちのラグビーを体現して欲しいと思います。共に闘い、共に祝い、最後は美味しいお酒を一緒に飲みましょう!」

狼の群れは全ての準備を終え、その心に熱い魂をたぎらせ、その時がくるのを静かに待ちます。

試合当日、秩父宮ラグビー場は21,564人の熱いラグビーファンの方々で埋め尽くされ、超満員の中、東芝のキックオフで試合が始まりました。

前半8分、拓殖大学から今季加入したばかりのルーキー6番シオネ・ラベマイがトライを奪い先制します。(7-0 9番小川高廣ゴール成功)

シオネは、拓殖大学時代の4年生時にはキャプテンを務め、チームの核となる選手でしたが、その4年時の夏に怪我を負い、最後の一年を棒に振ってしまいました。
しかし、彼は投げやりになることなくもう1年大学に残り、チームの為に体を張る姿勢を貫き、その類稀なる身体能力を武器にチームの先頭に立ち続けました。
その才能と将来性に大きな期待を感じ、今後間違いなく東芝にフィットする選手になるであろうという確信のもと勧誘し続けた結果、晴れて我々のチームメイトとなってくれました。
予想通り、加入してすぐの2019年トップリーグカップ戦でも早速活躍し、12月に行われたトヨタ自動車ヴェルブリッツとのプレマッチゲームでも、MVP級の活躍をしてくれました。
そして、その勢いは留まることなく、開幕戦においてもチームに勢いを与える大活躍をしてくれたのです。

前半20分、サントリーに1トライ返されますが、前半終了間際の42分、共同キャプテンの9番小川高廣が相手の隙を突いてトライを奪い、前半リードで後半へ折り返します。(12-7 小川ゴール失敗)

後半に入り、サントリーに先に得点を奪われ同点とされてしまいますが、後半21分、東芝の攻撃の核となるFWが、サントリー陣ゴール前のスクラムで再三プレッシャーをかけると、最後は11番松岡久善が難なくトライを奪い、再びリードします。(19-12 小川ゴール成功)
このトライで流れを取り戻すと、FWとBKが一体となった攻撃を繰り返し、サントリー陣内へ何度も攻め込みます。

後半30分、FWがラックに近いポイントを攻め続け、1番三上正貴がトライ。
連続でスコアを刻み、サントリーを突き放します。(26-12 小川ゴール成功)
最後はサントリーに1トライ返されますが、追いつかれることなくそのままノーサイドを迎え、価値ある勝利でスタートを切ることが出来ました。(最終スコア 26-19)

この試合でMOMに選ばれたのは、共同キャプテンでもある小川でした。
FWとBKの橋渡しとなって、素晴らしい手綱捌きでゲームをコントロールし、個人としてもトライやコンバージョンを決めるなど、広範囲に亘ってチームを引っ張り、キャプテンの役割を果たしてくれました。

試合後の選手の表情からは、シーズン前から積み重ねてきた挑戦が正しい方向へ向かっていたのだという、自己肯定感からの安堵と、開幕戦白星勝利からしか得られない特別な喜びが溢れ、弾けるような素晴らしい笑顔が見られました。

TLデビューの10番ジャック・ストラトン。
TL新人王候補の6番シオネ・ラベマイ、14番桑山聖生。
東芝デビューの7番マット・トッド、12番ティム・ベイトマン。
新加入選手が、確実にチームの戦力になってくれました。
開幕戦の勝利は、これまで東芝を支えてきた選手に新たな戦力が上手く融合され、ブラックアダーHCが掲げる、『闘う狼の集団』『ファミリーが群れとなり闘う』という理念が、真に体現された試合でした。

しかし、実はビッグゲームを制した後の試合が、本当の意味での出発点とも言えるのです。
この勢いが一過性のものにならないよう、良い雰囲気を継続するために、次戦には非常に重要な意味が込められています。
再度、「東芝ウルフパック」で群れとなり、第2節のNTTドコモレッドハリケーンズに襲いかかりたいと思います。

次節も応援よろしくお願いします。