ジャパンラグビートップリーグ 2020 第5節
2020年2月15日(土)14:00〜
熊谷スポーツ文化公園ラグビー場
東芝ブレイブルーパス | 27 − 46 | パナソニック ワイルドナイツ |
- 27
- 46
チーム名 | 時間 | T | G | P・T | P・G | D・G | 小計 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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前半 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 17 | 27 |
後半 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | ||
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前半 | 3 | 2 | 0 | 1 | 0 | 22 | 46 |
後半 | 4 | 2 | 0 | 0 | 0 | 24 |
出場メンバー
- 1三上 正貴
- 2森 太志
- 3深村 亮太
- 4梶川 喬介
- 5小瀧 尚弘
- 6シオネ・ラベマイ
- 7李 聖彰
- 8リーチ マイケル
- ○9小川 高廣
- 10ジャック・ストラトン
- 11M田 将暉
- 12中尾 隼太
- 13ジョニー・ファアウリ
- 14ジョネ・ナイカブラ
- 15ティム・ベイトマン
- 16橋本 大吾
- 17田中 圭一
- 18知念 雄
- 19トム・パーソンズ
- 20山本 紘史
- 21渡邊 太生
- 22松岡 久善
- 23桑山 聖生
○印 ゲームキャプテン
交替
前半 | ||
---|---|---|
18分 | 橋本 大吾(森 太志) | 入替 |
後半 | ||
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12分 | 知念 雄(深村 亮太) | 入替 |
20分 | 桑山 聖生(ジョニー・ファアウリ) | 入替 |
山本 紘史(李 聖彰) | 入替 | |
30分 | 田中 圭一(三上 正貴) | 入替 |
31分 | トム・パーソンズ(小瀧 尚弘) | 入替 |
一時
前半 | |
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後半 | |
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カード
前半 | |
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33分 | 梶川 喬介 |
後半 | |
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トライ
前半 | |
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3分 | ティム・ベイトマン |
16分 | ジョネ・ナイカブラ |
後半 | |
---|---|
6分 | 橋本 大吾 |
10分 | ジョネ・ナイカブラ |
概要
レビュー
1週間のバイウィークを挟み、迎えた第5節は、パナソニックワイルドナイツ(以下:パナソニック)との対戦でした。ここ数年、パナソニックからの勝ち星はなく、戦績や順位上では間違いなく格上の相手です。しかし、前節の試合後、トッド・ブラックアダーHCは「我々は着実に強いチームへと近づいてきている。“東芝との対戦は容易ではない”と相手が思っているのは確かだ。相手にとっても当然厳しい試合になる。」と選手に伝え、自信を持って闘うべきだということを強調していました。
この試合に向けた準備は、バイウィークにより通常より日数にゆとりのあったことから、しっかり入念に整えることが出来ました。ジョー・マドックBKコーチは、「この試合はエナジーバトルになる。早いセット、早い仕掛けが鍵になる」と、これまでの試合以上の爆発力と集中力を選手たちに意識させました。
一方で、2日前の練習で見られたK9の気迫は、鬼気迫る素晴らしいものでした。フランカーの藤田 貴大を筆頭に、K9の牙がメンバーに襲いかかり容赦ないプレッシャーをかけ続け、K9の方がメンバーなのではないかと思わせるほどの緊張感ある雰囲気を見事に創り上げてくれました。K9自らも、自分たちのプレーを修正しながらメンバーに対峙し、ただの練習相手では終わらないレベルの高さを見せつけ、より試合に近いイメージをメンバーに与えたその姿勢に、東芝というチームの結束力を改めて垣間見た気がしました。
この試合では、久しぶりにメンバー入りした5番の小瀧 尚弘や、前節に引き続きスタメンに入った14番のジョネ・ナイカブラ、そしてついに公式戦初スタメン、甘いマスクの11番新人M田 将暉が名を連ねました。M田は今年1年目ながら、リザーブから途中出場した前節で試合終了間際にボーナスポイント獲得に繋がるビッグプレーを魅せるなど、持ち前のセンスに負けず嫌いな性格も功を奏し、見事スタメンのジャージを獲得しました。
しっかりと準備を整え、迎えた試合前日のジャージプレゼンテーション。今回はサプライズゲストが登場します。その人は、なんと!!!
昨シーズンまで東芝のBKコーチを務め、昨年はドラマやバラエティーにも多数出演し、RWC期間中において国歌で大会を盛り上げる『スクラムユニゾン』という活動などを通し、一躍時の人となった、廣瀬俊朗さんです!
彼の登場に際してかのドラマの名曲を流すなど冷やかしムードの中、昨シーズンを懐かしむように和やかに歓迎しました。在籍中に共にプレーした面識のある選手たちと談笑して場を温めた後、ジャージプレゼンテーションという敬意ある場に相応しい崇高な空気に一瞬で引き寄せ、引き締めてくれました。「この貴重な機会を私に与えてもらえたことに、とても感謝しています。一度東芝を離れた後にこのような形で声を掛けてもらえることは中々ない経験だと思いますので、非常に楽しみにしていました。新しいチームになり、みんな良い雰囲気で頑張っていると聞いていたので、実際にそれを感じることが出来て本当に嬉しく思います。」
「ここまでの4試合、みんなの素晴らしいパフォーマンスや活き活きとした姿を存分に見せてもらいました。明日の試合も自分たちのスタイルを信じてやり切ってほしいと思いますし、ここからの試合においてこそ真の価値が問われるのではないかと思います。上手くいかなかったときでも自分たち自身を信じられるかどうかという部分に重きをおき、その姿勢や考え方を大事にしてほしい、と思います。」
「これまでの東芝は、人間関係や泥臭いプレーなど、インサイドの部分を大事にしてきたチームだと思います。今日ここへ着いてから、みんなと接し、クラブハウスを見て回ることを通して、今年のチームからも、その変わらない内に秘めた部分を色々な角度から感じ取ることが出来ました。この文化はこれからも引き続き大事にしていってほしいと思います。」
「恐らく20,000名規模になるであろう大勢のラグビーファンの前でプレーできるということは、本当に素晴らしい機会だと思いますので、東芝らしいメッセージを伝えられるような試合をしてほしいと思いますし、試合に出ないメンバーも含めて、色々な人にスポーツの素晴らしさを体を張って伝えて下さい。」
「今日はみんなに会えて本当に嬉しかったです。東芝のことは勿論これからも応援し続けていますので頑張って下さい!」と、長年東芝で苦楽を経験した彼ならではの生の声を聞かせてくれました。
そして試合当日。会場には22,705名の方が入場され、熊谷ラグビー場での試合では過去最高の入場者数を記録しました。しかし、ここはパナソニックのホームグラウンド。観客席の色は、東芝の赤よりもパナソニックの青が際立ちます。雰囲気に飲まれないためにも、マドックBKコーチの指示にもあった、エナジーと早い仕掛けが大事になります。その狙い通り、先に仕掛けたのは東芝でした。前半3分に、ラインアウトモールから出たボールを取った10番のジャック・ストラトンが相手をスピードで振り切り、最後は15番のティム・べイトマンに繋ぎ、先制トライを奪います。(東芝 7-0 パナソニック)
前半13分にパナソニックに返されますが、直後の前半16分に、6番シオネ・ラベマイの力強い突進で3人を引き付けながら14番のナイカブラに繋ぎ、再びリードを奪います。(東芝 14-5 パナソニック)
しかし、ここからパナソニックの反撃を食らいます。前半23分にPGを決められると、29分、32分と立て続けにトライを奪われ、3連続でスコアをあげられてしまいます。(東芝 14-22 パナソニック)
その上、4番梶川が危険なタックルでシンビンとなり、更に劣勢の状態となります。しかし、14人となった前半ラスト7分を素晴らしい集中力で闘い、劣勢の状況の中でも終了間際にはPGで3点を返し5点差、1トライで追いつく射程圏内に入り後半へ折り返します。(東芝 17-22 パナソニック)
後半に入り、またも先に仕掛けたのは東芝です。前半最後の高い集中力を持続させ、3分間を14人で凌ぎます。1人欠けていても互角の闘いが出来た結果、4番梶川がシンビンから戻り15人が揃うと更に勢いを増します。後半6分にはゴール前のラインアウトから得意のモールを押し込み16番の橋本 大吾がトライすると、後半10分にも10番ストラトンがサインプレーからラインブレイクし、最後はフィニッシャーである14番ナイカブラがトライを奪い、ここでついに逆転に成功します。(東芝 27-22 パナソニック)
しかし、東芝のスコアはこの後刻まれることなく、ここで止まってしまいます。後半16分にパナソニックにトライを返され、またも逆転を許します。(東芝 27-29 パナソニック)
ここまでほぼ互角の闘いを繰り広げ、ブラックアダーHCの宣言通り、パナソニックに対して脅威を与えていたことは間違いありません。しかし、残りの約15分間は、我々にとって辛く厳しい学びの場となりました。後半28分・32分・そして42分に立て続けにトライを奪われて現状の底力の差を見せつけられ、今季初の敗戦を期すことになりました。(東芝 27-46 パナソニック 最終スコア)
試合後、ブラックアダーHCは「前半は非常に良いチャレンジができた。後半は今のチームにとっては素晴らしい学びの時間となった。この敗戦からも様々な気づきや学びがあったことは今のチームにとっては大きな財産となる。今までやってきたことは、決して間違ってはいない。これは絶対に自信をもっていい。このまま一貫して信念をもち継続していくことが大事。」と、非常にポジティブかつ前向きにチームを分析し、まだまだ続くシーズンに向けて、敗戦からも選手たちの成長を促す言葉をかけました。
この試合を経て、そしてHCの言葉を聞く限り、今のチームはまだまだ群れとしての成熟度は低く、“若い”狼の集団である、ということを認識しました。それは、選手一人ひとりが若い、というよりも、群れ全体が若い、ということです。若い群れが力強い強固なまとまりに成長するためには、何事も恐れない若さ溢れるチャレンジの姿勢と、経験を活かした冷静な判断とが融合すること、これが何よりも不可欠です。
その実現のためには、ひたすら経験と鍛錬を繰り返すしかありません。
この敗戦は決して無駄ではなく、一つの意義ある経験として確実にチームの成長の一片に刻まれます。苦い経験を次へ活かすためには鍛錬あるのみです。その鍛錬こそが血となり肉となり力となって、チームに根付いていくのだと思います。今シーズンは、まだまだ3分の1が終わったばかりです。残りの10試合の中で、この経験と鍛錬をどれだけ積み重ねることが出来るか。今、東芝ウルフパックは積み重ねを繰り返し創り上げていく途中段階にあり、また、それを楽しむ雰囲気と文化も持ち合わせています。応援して下さる皆様にも、是非この成長を見守って頂き、そして共に楽しんで頂きたいと思っています。
次節は、2月23日(日)、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場にて、昨シーズンの王者神戸製鋼との対戦です。チャンピオンに対してどれだけチャレンジできるか。試合の中でどれだけ成長できるか。そして何よりも“勝って”学ぶために、今週も質の高い準備をして試合に臨みます。次節も、応援の程宜しくお願い致します。
ジャパンラグビートップリーグ2020の第5節は2月15日(土)に熊谷スポーツ文化公園ラグビー場にて、パナソニックワイルドナイツと対戦した。
前半3分、敵陣22m内ライアウトからFWがモールで押し込みBKに展開、ストラトンが抜け出すとべイトマンへ繋ぎトライ。小川のゴールキックも決まり7-0と先制する。前半13分、中央付近でターンオーバーされたボールを外側に展開されそのままトライ、7-5。前半16分、敵陣まで攻め込むと、ラベマイがDF3人を巻き込みナイカブラにラストパス、小川がゴールを成功させ14-5とする。前半23分、相手チームにペナルティーゴールを決められ14-8。前半29分、32分には相手チームにトライを許し14-22とする。前半39分、小川がペナルティーゴールを決め17-22で前半を折り返す。
後半6分、敵陣右ゴール前5mラインアウトからモールを形成、そのまま押し込み橋本がトライ、22-22で同点。後半10分、自陣10m左ラインアウトからアタックをしてラックを形成、BKへ展開するとストラトンが抜け出しナイカブラへパス、右サイドを走り切ってトライ、27-22と逆転に成功。後半16分相手チームにトライを許し27-29で再び逆転される。後半28分、32分、43分に相手チームに連続でトライを許し、最終スコアは27-46で敗戦した。