ジャパンラグビートップリーグ 2020 第6節
2020年2月23日(日)13:00〜
神戸総合運動公園ユニバー記念競技場
東芝ブレイブルーパス | 0 − 57 | 神戸製鋼コベルコスティーラーズ |
- 0
- 57
チーム名 | 時間 | T | G | P・T | P・G | D・G | 小計 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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前半 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
後半 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
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前半 | 6 | 5 | 0 | 0 | 0 | 40 | 57 |
後半 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 17 |
出場メンバー
- 1田中 圭一
- 2橋本 大吾
- 3深村 亮太
- 4梶川 喬介
- 5小瀧 尚弘
- 6シオネ・ラベマイ
- 7李 聖彰
- 8リーチ マイケル
- ○9小川 高廣
- 10ジャック・ストラトン
- 11M田 将暉
- 12中尾 隼太
- 13ジョニー・ファアウリ
- 14ジョネ・ナイカブラ
- 15ティム・ベイトマン
- 16平田 快笙
- 17金 寛泰
- 18知念 雄
- 19トム・パーソンズ
- 20山本 紘史
- 21渡邊 太生
- 22松岡 久善
- 23桑山 聖生
○印 ゲームキャプテン
交替
前半 | ||
---|---|---|
38分 | トム・パーソンズ(シオネ・ラベマイ) | 入替 |
後半 | ||
---|---|---|
3分 | 松岡 久善(M田 将暉) | 入替 |
9分 | 金 寛泰(田中 圭一) | 入替 |
15分 | 渡邊 太生(小川 高廣) | 入替 |
18分 | 山本 紘史(リーチ マイケル) | 入替 |
23分 | 知念 雄(深村 亮太) | 入替 |
田中 圭一(金 寛泰) | 入替 | |
31分 | 平田 快笙(橋本 大吾) | 入替 |
33分 | 桑山 聖生(ティム・ベイトマン) | 入替 |
一時
前半 | |
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後半 | |
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カード
前半 | |
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後半 | |
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トライ
前半 | |
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後半 | |
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概要
レビュー
今シーズン初の黒星を喫して過ごした1週間。
第6節は、昨年の優勝チームでもある神戸製鋼コベルコスティーラーズ(以下:神戸製鋼)との対戦でした。
敗戦後にスピード感をもって修正する能力は、今後の試合にとっても欠かせません。今年のチームのタフさを測る上で、また優勝争いに残る上でも、この試合の重要度は非常に高くなります。また、昨年度のチャンピオンチームとの対戦は、チームが成長するためには避けられない大きなハードルとなり、またチャレンジとなります。
週初めのミーティングで、ブラックアダーHCは「前節のパナソニック戦では、結果は伴わなかったものの、我々のやってきたことが正しかったと自信を持つことが出来た。チームはひと回り成長して強くなったと私は感じている。」と述べ、「試合前と試合後のチーム状態に対して違いを感じるなど、私と同じ感覚を持っている人はいないか?」とチーム全体に語りかけました。すると、出来たことや上手くいかなかったことなど多々ある中で、多くの選手が種類の異なるポジティブな違いを感じていることがわかりました。「狼の群の闘いは、これからも毎週続きます。敗戦からも確実にかつスピーディーに学ぶべき改善点を捉え、継続し、もっと強くならなくてはいけない。」と、黒星からきっちりと切り替えて次戦に臨むマインドセットを、選手たちにしっかり落とし込みました。
神戸製鋼との試合に向けて、ジョー・マドックBKコーチは、「この試合も、前節同様、間違いなくフィジカル面のバトルになる。そして、その勝負に勝ってこそ我々のプランが成り立つ。」と強調しました。そんなフィジカル勝負に対峙するにあたってのK9の役割は、既に明確でした。フランカーの藤田 貴大は「我々の役割はとてもシンプル。メンバーに対して神戸製鋼よりも激しく向かえばいい。“神戸製鋼よりもK9の方がフィジカルが強かった”と言わせるプレーをしよう」と、K9のメンバーの心に火をつけます。連戦の疲れからか、集中力の乱れや些細なミスから、メンバーのプレーの質が落ちてしまうシーンも見られました。そんな時には、藤田を始めK9が檄を飛ばしてメンバーを圧倒するなど、東芝ウルフパック全員で試合に向けて士気を高めます。
前節から大きくメンバーが変わったポジションは、フロント陣でした。
これまでリザーブとして後半に勢いを与えていた田中 圭一が1番、橋本 大吾が2番と、チームの起爆剤となっていた2人が先発になりました。そして、16番にはルーキーの平田 快笙、17番には今シーズン初メンバー入りとなる金 寛泰が名を連ねました。
迎えた前日のジャージプレゼンテーション、プレゼンターは昨年までキャプテンを務めていた、東芝7年目のリチャード・カフイです。「明日の試合、私はとてもワクワクしています。もちろんメンバーに選ばれた23人も同じ気持ちだと思っています。」
「2万5千人近いファンの前でプレー出来ること、ダン・カーターやブロディ・レタリックなど世界のトップ選手と対戦すること、現在の日本のチャンピオンチームにチャレンジ出来ること、そして何より、優勝してジャージの星の数を増やすために(※東芝の公式戦ジャージには優勝した回数の星の数が背中に刻まれている)一番強いチームを倒さなければいけないので、それが出来るチャンスが来たこと。それが、いま高揚感を感じる理由の数々です。」
「今シーズン、開幕から4連勝した試合を通して、我々にも優勝出来る可能性があると思えるシーンが数多くありました。サントリー戦は、自分たちで相手をコントロールしていかんなく攻めることが出来ました。ドコモ戦と三菱重工戦は、最後のホーンが鳴った後にトライを取りボーナスポイントを獲得することで、諦めずに継続して攻めるという、チャンピオンシップを獲るチームには欠かせない意識を皆で共有することができました。ホンダ戦では、20分間で4トライを獲ることができ、自分たちのストラクチャーやシステムを信じて正確に実行すれば、結果はきちんとついてくる、ということが分かりました。」
「常に一番ベストなチームは我々だ、と私は信じています。パナソニック戦も、負けはしたものの、60分間においては自分たちが間違いなくベストチームでした。明日の試合は今日本で一番ベストなチームに対して我々がチャレンジできる、絶好のチャンスです。もちろん、簡単に得点できる相手ではないが、アタックもディフェンスも、コネクション・規律を守ってプレーすることが出来れば、充分通用するはずです。」
「ここまで、かなり成長してきているので、まずは自分たちお互いのことを信用してほしい。そして、試合に出られるということはとても貴重なことなので、このチャンスをしっかり掴んで楽しんでほしい。フィールド上でプレー出来ることは本当に特別なこと。もし、試合中苦しい時間帯があった場合には、K9との練習を思い出して、我々はもっと強いチームと練習をしてきた、K9こそが日本一のチームだ、と思い出してほしい!」と大一番の試合に向けてメンバーを鼓舞しました。
迎えた試合当日、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場には23,647人、当会場で行われる試合の過去最高人数のラグビーファンの方々が来てくださいました。
試合は、神戸製鋼のキックオフで始まりました。
序盤の10分間は、チャンピオンチーム対し、攻守にわたり非常にアグレッシブにフィジカルバトルを仕掛けることが出来ました。マイボールスクラムでは、相手を押し込みペナルティーを奪い、ディフェンスでは相手のミスを誘うハードタックルが決まります。しかし、チャンピオンチームと同じ土俵で闘うには、少ないチャンスを確実にスコアに結びつけなければ、やはりすぐに流れを奪われてしまいます。
この10分間でスコア出来なかったことが、この試合のその後の展開を大きく左右しました。前半10分、神戸製鋼に自陣から攻め込まれ、この試合最初のトライを奪われると、そこからは1対1のディフェンスにおいて仕留めることが出来ず、確実にゲインを切られてしまい、神戸製鋼が一番得意とするパターンにはめられてしまいました。前半残り30分はほぼ神戸製鋼ペースで試合を運ばれ、前半だけで6トライを奪われる猛攻を受けてしまいます。(前半終了 東芝 0-40 神戸製鋼)
今までにない点差でも、ハーフタイムではポジティブに修正を行い、後半最初に先制して再度流れを引き寄せることに集中して切り替えます。
しかし後半2分、無情にも先にスコアをあげたのは神戸製鋼でした。(東芝 0-47 神戸製鋼)
今年のチームを創る上で、常にブラックアダーHCが選手に掛けている言葉があります。それは「どんな状況でも学び続けることが大事である。」ということ。この絶望的な点差の中この言葉を思い出したのかのように、ここからの約30分間は、前半の序盤10分間以上に激しくチャレンジしました。しかし、やはりチャンピオンチームの壁は厚く、良いアタック&ディフェンスを繰り返してもなかなか得点を奪うことが出来ず、そのまま零封されノーサイドとなってしまいました。(最終スコア 東芝 0-57 神戸製鋼)
試合後のロッカーで、ブラックアダーHCは選手たちに、「今日の試合を決して忘れてはいけない。この敗戦で感じた、恥ずかしい、情けないという感情を、しっかりと胸に刻むことが大事。この想いをチーム全員が心底感じた上で前に進まなければいけない。」と伝えました。 そして「ここで終わりではない。まだまだ成長できる。そのためにはまず個人が責任を果たさなければならない。皆で前進するためにも、しっかりと自己責任を果たそう。」と厳しくも次へ繋げる言葉で締めくくりました。
大敗してしまいましたが、この試合のチーム内MVPは、劣勢な場面でも何度もチームに勢いを与えた、15番のティム・べイトマンが選ばれ、試合に向けた準備で何度もメンバーを鼓舞したK9賞は、ベテラン大島 脩平と練習中に檄を飛ばし続けた藤田 貴大が選ばれました。敗戦の中からも、ポジティブな要因を正しく評価したり、チームに貢献した選手を讃えることで、次戦への活力に変えていく部分は、今年のチームの大きな特徴ではないかと思います。
我々はまだまだ道半ばです。完成されたチームではありません。
すべての事象を糧として、辛いことも確実に吸収して成長しなければいけません。
遠く神戸の地まで応援に来て頂いた方々には、残念な想いをさせてしまい、本当に不甲斐ない思いでいっぱいです。
しかし、今シーズン最後に「あの試合があったから今シーズンはここまで来れたんだ」と感じて頂けるように、地道に、実直に、ここから復活のストーリーをしっかりと描いていきたいと思います。
次節も、応援宜しくお願い致します。
ジャパンラグビートップリーグ2020の第6節は2月23日(日)に神戸総合運動公園ユニバー記念競技場にて、神戸製鋼コベルコスティーラーズと対戦した。前半10分、相手チームに先制トライを許すと、タックルミスが続き相手チームの思い通りにボールを運ばれ、前半18分、22分、27分、30分、34分と連続でトライをされ、40-0で前半を折り返す。後半に入っても、2分、35分、40分と相手チームにトライを許し、最終スコア57-0で敗戦した。