ジャパンラグビー トップリーグ2021 第1節
2021年2月20日(土)14:00〜 パロマ瑞穂ラグビー場
東芝ブレイブルーパス | 33 − 34 | トヨタ自動車ヴェルブリッツ |
- 33
- 34
チーム名 | 時間 | T | G | P・T | P・G | D・G | 小計 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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前半 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 7 | 33 |
後半 | 4 | 3 | 0 | 0 | 0 | 26 | ||
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前半 | 3 | 3 | 0 | 1 | 0 | 24 | 34 |
後半 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 10 |
出場メンバー
- 1田中 圭一
- 2森 太志
- 3知念 雄
- 4梶川 喬介
- 5サム・トムソン
- 6リーチマイケル
- 7マット・トッド
- 8山本 浩輝
- 9〇小川 高廣
- 10中尾 隼太
- 11松岡 久善
- 12ティム・ベイトマン
- 13セタ・タマニバル
- 14 桑山 聖生
- 15豊島 翔平
- 16橋本 大吾
- 17金 寛泰
- 18眞壁 照男
- 19小瀧 尚弘
- 20シオネ・ラベマイ
- 21高橋 昴平
- 22ジャック・ストラトン
- 23桑山 淳生
○印 ゲームキャプテン
交替
前半 | ||
---|---|---|
25分 | 橋本 大吾(森 太志) | 入替 |
後半 | ||
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12分 | ジャック・ストラトン(小川 高廣) | 入替 |
21分 | 金 寛泰(田中 圭一) | 入替 |
眞壁 照男(知念 雄) | 入替 | |
シオネ・ラベマイ(サム・トムソン) | 入替 | |
25分 | 小瀧 尚弘(山本 浩輝) | 入替 |
28分 | 桑山 淳生(松岡 久善) | 入替 |
36分 | 高橋 昴平(ティム・ベイトマン) | 入替 |
一時
前半 | |
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後半 | |
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カード
前半 | |
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後半 | |
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トライ
前半 | |
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30分 | マット・トッド |
後半 | |
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10分 | セタ・タマニバル |
17分 | ジャック・ストラトン |
29分 | シオネ・ラベマイ |
35分 | リーチマイケル |
概要
レビュー
2021年1月16日、ジャパンラグビートップリーグ、ラストシーズンの幕開け。
この日を新国立競技場で迎えるはずだった開幕戦は、昨年より猛威を振るう新型コロナウイルスの影響により、延期を余儀なくされました。
このまま中止になることも懸念される中、関係者の方々のご尽力と、ファンの皆さまの熱い想いにより、当初の予定から約1ヶ月後の2月20日、無事2021年シーズンが開幕いたしました。
今シーズンも採用・普及担当の望月が、単なる試合結果に留まらない、チーム内からの視点ならではのレビューを、毎試合後にお届けいたします。シーズン終了まで、どうぞよろしくお願いいたします。
コロナ禍でスタートを切った今シーズン、練習試合はおろか、普段のスケジュールでさえ例年通りに組めないこともあり、選手・スタッフともに試練のシーズンになることを覚悟して臨みました。
そして開幕を5ヶ月後に控えた9月末、チームは、予想だにしなかった悲報に接します。
かけがえのない存在であった湯原FWコーチを突然失うという、あろう筈もない現実に直面しました。失った存在の大きさ、喪失感は計り知れませんでしたが、選手が自主性を持って臨まなければならない状況は、選手自身の覚悟をより一層強固なものへと変えました。
今シーズンに懸ける想いや、何のために勝つのかという大義を全員がしっかりと胸に刻み、開幕を迎えました。
対戦フォーマットが変更となった延期後の開幕戦の相手は、トヨタ自動車ヴェルブリッツ(以下:トヨタ)で、アウェーとなるパロマ瑞穂ラグビー場での対戦となりました。
試合にあたり相手チームの分析をすることは重要ですが、開幕戦に向けて何よりも我々が重視したことは、「ベクトルを自分たちに向けること」でした。
ブレイブルーパスというチームは何を目指してきたチームなのか。我々がやりたいラグビーをするためには何をしなければいけないのか。そのためには、何を意識して日々を過ごし、どんなキーワードをチーム全体で共有するべきなのか。そしてどんな準備をして普段の練習に臨むべきなのか。こうして一つひとつ積み上げるように、チームの土台となる部分を再度丁寧に見つめ直していきました。
試合前日のジャージプレゼンテーションは、プロップのベテラン三上選手が務めました。
「我々フロントローのメンバーがスクラムに拘るのは何故なのか。それは、スクラムを組み勝つことで相手に大きなメンタルダメージを与えることができる、ゲームの中で非常に大きな比重を占めるものだからです。スクラムを強みにすることで、チームが勢いに乗ることができるという大きな武器にもなります。今、フロントローやロックの選手が自主的に朝練を行い、それぞれ個の強化に取り組んでいます。この積み重ねが、纏まりのあるスクラムを生み出す一因になっていると思います。
明日は、その結果を発揮できる最初の舞台です。セットプレーの中でスクラムが何本あるかわかりませんが、一本一本、一貫性のある質の良いスクラムを期待しています。これは余談ですが、スクラムに精通していないはずのBKのタケさん(宇薄選手)が、スクラムの場面でいつもFWに声を掛けてくれるのですが、実はそれがもの凄く力になっているのです。チームの一体感にも繋がるので、明日のBKメンバーも是非お願いします。」と先輩を茶化しその場を和ませながらも、スクラム職人のもつ拘りを改めて強調し、想いを込めたジャージをメンバーへ託しました。
迎えた試合当日、選手の腕には「YUHA 2〜never leave us」の文字が入ったリストバンドの喪章が付けられていました。湯原FWコーチの遺志を引き継ぐべく、力の源として身に付けた選手もきっといたはずです。キックオフ直前には、グラウンド上で湯原FWコーチへの黙祷が行われました。共に哀悼の意を込めて下さった観客の皆さま、トヨタ自動車ヴェルブリッツの皆さまに、この場を借りて深く御礼申し上げます。
14時6分、キックオフ。
試合開始直後から敵陣へ攻め込んで再三チャンスを作り、良いスタートを切りますが、気持ちが前へ出過ぎてしまったのか得点には繋がらず、逆に自分たちのミスから簡単にトライを奪われてしまいます。
なんとかモールで1本返しますが、満足のいく結果には程遠い40分でした。(前半:東芝 7-24 トヨタ)
ハーフタイムでは、普段声を荒げることの無いブラックアダーHCが珍しく語気を強めて檄を飛ばし、もう一度パッションを込めてプレーすること、ブレイクダウンに対してもっと相手を圧倒することを強く伝えます。
後半に入ると動きも判断も冷静さを取り戻し、自分たちが準備してきたことが形になってきたことにより得点を重ね始めます。
ディフェンスにおいても、少しずつ相手を下げてボールを奪い、アタックの時間を増やして徐々に点差を詰めていきます。
しかし、一点差まで追い上げたものの、勝ち星を掴むには至りませんでした。(最終スコア:東芝 33-34 トヨタ)
トライ数では勝り、ゴールキックの差はなし、PGでの6点が最後まで響きました。ラグビーというスポーツの奥深さと難しさを感じる結果でもありました。
しかし、決してネガティブな一面ばかりではありません。我々が準備したことが通用した場面は確実にありました。
「去年よりも期待できた」「今後試合を重ねるごとに良いチームになっていく直感がした」「今年の東芝のラグビーをもっと見たくなった」など、見ていた方々から非常に前向きな言葉で激励していただけたことは、我々が掲げている「見ている人にメッセージ性のあるラグビーをする」というスタンスを体現できた何よりの証拠ではないかと実感しました。
最後に、今回は2人の選手にスポットを当ててみたいと思います。
新加入のインパクトプレーヤー13番セタ・タマニバル選手。
彼のハンドリングの良さ、コンタクトの強さは、流石オールブラックスと言わしめるレベルで、チャンスとなる起点をたくさん披露してくれました。
それは、ラグビーをしている日本の子どもたちに「ラグビーってこんな風に自由にプレーしていいんだよ」「決まりごとに縛られたものや綺麗なプレーだけが正解ではなく、どんなプレーでも正解なんだよ」と伝えてあげたくなるような、変幻自在でワクワクするプレーの数々でした。
一方で、7番のマット・トッド選手は、チームとしてやらなければならないことを確実に遂行し、基本に忠実で堅実なプレーをしつつも、状況に応じてここぞという場面ではアグレッシブに逸脱したプレーに切り替え、勝負の肝を抑えた適応力豊かなプレーを見せてくれました。
同じオールブラックスでも多様な選手が存在し、プレーには実に多くの選択肢があるということを教えてくれる、素晴らしい教材になる試合であったと思います。
このように、あらゆる観点から試合を楽しんでいただけるような情報を、今後もお伝えしていきたいと思います。
次節は2月27日(土)12:00〜 秩父宮ラグビー場にて、クボタスピアーズとの対戦です。
プレシーズンの練習試合で敗戦を喫した相手ですので、しっかりとチームの成長を見せられるように、質の高い良い準備をしていきたいと思います。
次節も東芝ブレイブルーパスの応援をどうぞ宜しくお願いします。
ジャパンラグビートップリーグ2021の第1節は2月20日(土)にパロマ瑞穂ラグビー場にて、トヨタ自動車ヴェルブリッツと対戦した。試合前には昨年9月に逝去した湯原祐希FWコーチへの黙祷が行われた。
試合は前半4分、12分、26分、と相手チームに連続でトライを奪われ0-21とされる。
前半30分、左サイド敵陣ゴール前ラインアウトからモールを組むと、そのまま押し込んでトッドがトライ、小川のゴールも決まり7-21。前半34分、相手チームにペナルティーゴールを決められ7-24で前半を折り返す。
後半4分、相手チームにペナルティーゴールで先制され7-27とされるも、後半11分、敵陣ゴール前スクラムからBKにボールを展開するとタマニバルが抜け出し中央にトライ、小川のゴールも決まり14-27。
後半17分、中盤右スクラムからボールを継続し左サイドを松岡が抜け出し敵陣ゴール前に迫ると、ブレイクダウンからこぼれたボールをストラトンがおさえそのままトライ、中尾のゴールが決り21-27。
後半19分、相手チームにトライを奪われゴールも決まり21-34。
後半29分、自陣ゴール前左スクラムからBKにボールを展開、豊島がボールを持つとハーフウェイ付近まで大きくゲイン、そのままボールを継続し、最後はストラトン→中尾→金→ベイトマン→タマニバル→ラベマイと繋ぎ左隅にトライ、26-34とする。
後半35分、自陣ゴール前右スクラムからボールを継続し中盤まで攻め込むと、ラックから持ち出したストラトンのボールを受けた桑山淳が抜け出し上手くボールを繋ぎながら敵陣10mまで迫る。最後はBKラインでボールをもらったリーチがDF2人をかわし中央にトライ、中尾のゴールも決まり33-34。
後半に4トライ(26点)を取り1点差まで迫るも、最後は相手チームにボールをキープされ、最終スコア33-34で惜しくも敗れた。(※7点差以内の負けなので勝ち点1)