ジャパンラグビートップリーグ
2018-2019 第2節
2018年9月9日(日)16:00〜
駒沢オリンピック公園陸上競技場
東芝ブレイブルーパス | 20 − 17 | リコーブラックラムズ |
- 20
- 17
チーム名 | 時間 | T | G | P・G | D・G | 小計 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() |
前半 | 1 | 1 | 1 | 0 | 10 | 20 |
後半 | 1 | 1 | 1 | 0 | 10 | ||
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前半 | 1 | 1 | 1 | 0 | 10 | 17 |
後半 | 1 | 1 | 0 | 0 | 7 |
出場メンバー
- 1三上 正貴
- 2湯原 祐希
- 3浅原 拓真
- 4小瀧 尚弘
- 5ロス・ハイレットペティ
- 6リーチ マイケル
- 7山本 紘史
- 8徳永 祥尭
- 9藤原 恵太
- 10マイク・ハリス
- 11宇薄 岳央
- 12ジョニー・ファアウリ
- ○13リチャード・カフイ
- 14豊島 翔平
- 15コンラッド・バンワイク
- 16森 太志
- 17橋本 大吾
- 18知念 雄
- 19大野 均
- 20ヘンコ・フェンター
- 21小川 高廣
- 22中尾 隼太
- 23松延 泰樹
○印 ゲームキャプテン
交替
前半 | ||
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後半 | ||
---|---|---|
0分 | 小川 高廣(藤原 恵太) | 入替 |
12分 | 森 太志(湯原 祐希) | 入替 |
22分 | 大野 均(小瀧 尚弘) | 入替 |
36分 | 橋本 大吾(三上正貴) | 入替 |
知念 雄(浅原 拓真) | 入替 | |
38分 | ヘンコ・フェンター(山本 紘史) | 入替 |
松延 泰樹(コンラッド・バンワイク) | 入替 | |
39分 | 中尾 隼太(マイク・ハリス) | 入替 |
一時
前半 | |
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後半 | |
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カード
前半 | |
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後半 | |
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トライ
前半 | |
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12分 | リチャード・カフイ |
後半 | |
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9分 | リチャード・カフイ |
残暑厳しい9月2週目の第2戦。
開幕戦の敗戦から一週間、コーチングスタッフは修正と次節に向けての準備にすべてを費やし、選手は自分たちが主体性を持って何が出来るかを考え、それを突き詰めていきました。
リーダー陣自らがミーティングを行い、ひとつひとつのプレーを検証して徹底的に試合を振り返ったという点に、選手の姿勢の変化が表れていました。
そして週半ば、主将のカフイから「このミーティングを最後に前節までの反省は終了。次節に向けた準備に対する前向きな話をしよう。」
選手自身が自らしっかりと線を引いて割り切ることが出来る姿勢は、試合中に瞬時に修正できるという力にも繋がります。そして練習中も、良い雰囲気が自然と生まれます。
この試合がファーストゲームとなる12番のジョニー・ファアウリ選手も、東芝でのデビュー戦を迎えるにあたり、練習中から躍動していました。
試合前日、毎試合行うジャージプレゼンテーション。このプレゼンターは、昨シーズンより、監督ではなくメンバー外の選手や関係者の方などにお願いしてきましたが、「この試合がいかに重要かを理解し、そこを意気込みへと繋げてほしい」という選手への思いから、今回は、OBの松田努さんにお願い致しました。
松田さんは言わずと知れたラグビー界のレジェンドですが、マネージャーより改めて紹介すると、その偉大さに、若い選手も百戦錬磨の外国人選手たちも驚きを隠せませんでした。
松田さんは、ジャージのプライドと責任感を強く訴え、観る人を熱くする東芝らしい試合を是非してほしい、と言われました。
そして、一人一人ジャージを受け取り、それぞれが意気込みを語る中、12番ジョニーの番になりました。
彼は、マオリ語でお祈りの言葉を述べたあと英語でスピーチをしますが、そこで思わず感極まり、言葉が詰まりました。
試合への思いを表に出す外国人選手は東芝では珍しく、ジャージに対する敬意、皆で勝利を勝ち獲るという思い、何より彼の真摯で純粋な姿勢に、さらに全員の身が引き締まりました。
惜敗から一週間。東芝の躍動を予感させる素晴らしい準備が整いました。
強風の中、東芝のキックオフで試合は始まります。
前半風下の東芝は、裏への細かいキックなどでエリアを獲得しながら、敵陣での前へ出るディフェンスで相手にハイプレッシャーを与え、一人一人の力強いランとサポートで、リコー陣でのプレーを増やします。
前半9分:個々の圧力から敵陣22m付近中央でペナルティーを獲得し、まずは10番ハリスのPGで先制して流れを作ります。(東芝 3−0 リコー)
リコーの怒涛の連続攻撃で自陣22m内まで攻め込まれますが、7番山本と10番ハリスの好タックルで相手のノックオンを誘います。
前半12分:自陣での好タックルからターンオーバーしたボールを、安易に蹴り返さずに積極的に攻めに転じ、13番カフイの好判断による素晴らしいキックパスで14番豊島にボールが渡ります。そこから、サポートについていた10番ハリスへパス、そして13番カフイが更にサポートし、約60mを走り切る独走トライを決めて、最高の雰囲気を作り出します。(東芝 10−0 リコー)
良い流れの中、5番ロス、6番リーチ、8番徳永、14番豊島が再三ゲインラインを突破しますが、最後はミスで途切れるという自滅を繰り返し、追加点を奪えません。
12番ジョニーも、素晴らしい突破やインターセプトからの独走など、試合前の昂ぶりを象徴する活躍を再三に渡り魅せますが、細かいミスでなかなかスコアに至りません。
前半27分:なかなか追加点をあげられない状態は自ら流れを相手に渡してしまい、リコーにゴール前まで攻め込まれ、FWのラック連取からトライを奪われます。(東芝10−7リコー)
前半40分:前半終了間際もPGを決められ、あれだけ良い流れを作ることができたにも関わらず、同点で折り返してしまいます。(東芝10−10リコー)
前半の大きな反省点は、安易なミスとペナルティーです。
ペナルティーを無くそうと臨んだ試合でしたが、この部分はまたも修正出来ず、良い流れをつまらないミスで潰してしまいます。
これでは、いくら良いプレーを繰り返しても得点に繋がりません。
後半スタートから、再度流れを掴むべく、21番小川が今季初出場します。
一進一退の攻防が続く中、21番小川は得意のキックを風上に乗せて着実にエリアをとります。
後半9分:ハーフウェイ付近のラックから、21番小川のパントキックを11番宇薄が見事にキャッチし、倒れながらも13番カフイへ繋ぐというファインプレーを見せます。
そのままカフイが走り切ってトライを奪い、再び反撃の狼煙をあげます。(東芝17−10リコー)
ディフェンスでもプレッシャーをかけ始め、リコーの力強いアタックをしっかり止め切り、風上を上手く使ってキックで徐々にエリアを押し戻します。
後半15分:相手キックのカウンターから8番徳永がゲインを切ると、リコーのペナルティーを誘い、PGで更にリードを広げます。(東芝20−10リコー)
その後も良い形での攻撃が続きますが、今シーズンもチームの力が拮抗しているため、一つのミスで流れがガラッと変わってしまいます。
後半25分:東芝のラインアウトミスから、リコーの素晴らしい集中力で14フェーズを継続され東芝陣ゴール前まで攻め込まれると、前半同様そのままFWのラック連取からトライを奪われます。
この攻撃は、敵ながら素晴らしいと感じました。最後は外国人5人を要するFWの圧力により押し切られましたが、前半同様、ラック連取からトライをとられるこの部分は、次節以降FWの課題としなくてはいけません。
自分たちが作った最高の流れを自滅で失い、このまま流れを取り戻せないまま逆転されて終わる試合が、ここ数年は多々ありました。
ラスト15分:一進一退の攻防が続きます。リコーが再度素晴らしい攻撃で東芝陣へ攻め込みますが、東芝は一人一人のディフェンスが崩れません。
リコーの攻撃を凌いでエリアを敵陣へ押し上げますが、アタックにおいてはミスにより継続が途切れます。
ラスト3分:リコー陣でのスクラムでペナルティーを犯し、ここから自陣に釘付けになります。
しかし、この試合における集中力、執念は違いました。
7フェーズにわたるリコーの最後の攻撃を、力を振り絞って前に出るディフェンスで防ぎ切り、ここでノーサイドとなりました。(東芝20−17リコー)
修正点は多々ありますが、最後の攻撃を守り切ったこと、そして何より今季初勝利をあげたことは、次につながる好材料となりました。
「勝利」を上回るカンフル剤はありません。
勝つことで、力もみなぎり、考え方もポジティブになります。
次のパナソニック戦は、中5日とタイトなコンディションの中で戦うことになりますが、
連勝というビッグウェーブを起こせるよう、再度準備していきたいと思います。
次節も応援宜しくお願いいたします。
試合後は、チームの垣根を越えて、この試合で100試合を達成したリコーのブロードハースト・マイケル選手を胴上げして祝福しました。
ブロードハースト選手、おめでとうございました。