ジャパンラグビートップリーグ
2018-2019 第3節
2018年9月15日(土)19:00〜 秩父宮ラグビー場
東芝ブレイブルーパス | 24 − 31 | パナソニックワイルドナイツ |
- 24
- 31
チーム名 | 時間 | T | G | P・G | D・G | 小計 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() |
前半 | 2 | 2 | 0 | 0 | 14 | 24 |
後半 | 2 | 0 | 0 | 0 | 10 | ||
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前半 | 2 | 2 | 1 | 0 | 17 | 31 |
後半 | 2 | 2 | 0 | 0 | 14 |
出場メンバー
- 1三上 正貴
- 2湯原 祐希
- 3浅原 拓真
- 4小瀧 尚弘
- 5ロス・ハイレットペティ
- 6リーチ マイケル
- 7山本 紘史
- 8コ永 祥尭
- 9藤原 恵太
- 10マイク・ハリス
- 11宇薄 岳央
- 12ジョニー・ファアウリ
- ○13リチャード・カフイ
- 14豊島 翔平
- 15コンラッド・バンワイク
- 16森 太志
- 17橋本 大吾
- 18知念 雄
- 19大野 均
- 20ヘンコ・フェンター
- 21小川 高廣
- 22中尾 隼太
- 23松延 泰樹
○印 ゲームキャプテン
交替
前半 | ||
---|---|---|
40分 | 小川 高廣(藤原 恵太) | 入替 |
後半 | ||
---|---|---|
8分 | 森 太志(湯原 祐希) | 入替 |
15分 | 橋本 大吾(三上 正貴) | 入替 |
23分 | 知念 雄(浅原 拓真) | 入替 |
28分 | ヘンコ・フェンター(山本 紘史) | 入替 |
松延 泰樹(リチャード・カフイ) | 入替 | |
32分 | 中尾 隼太(マイク・ハリス) | 入替 |
39分 | 大野 均(ロス・ハイレットペティ) | 入替 |
一時
前半 | |
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後半 | |
---|---|
カード
前半 | |
---|---|
後半 | |
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トライ
前半 | |
---|---|
19分 | 湯原 祐希 |
26分 | コンラッド・バンワイク |
後半 | |
---|---|
27分 | 小川 高廣 |
40分 | 宇薄 岳央 |
1勝1敗で迎えた第3節。
前節勝利した良い流れを更に加速させ、今後の順位を左右する非常に重要な一戦。
相手がパナソニックということで、試合の準備段階から、選手たちの気持ちのスイッチもいつも以上に入ります。
前節から中5日というタイトなコンディションであっても、気持ちと体をどこまでリカバリー出来るか、やるべきことをどこまで明確に出来るか。
まずは各々でしっかりと休息をとります。クラブハウスで少し動いて疲れをとる選手もいれば、自宅でゆっくりして体を回復させる選手もいます。その他、全体でのリカバリーセッション、ウエイトトレーニングなどで体を慣らします。
次戦まで時間が無いので、回復と戦術理解を同時に行う為に、普段よりも少し長めのミーティングでやるべきことを入念に落とし込み、グランド練習は走行距離を短くして走る強度を上げることで心拍数を上げ、コンタクト練習も短時間で高強度のものを行います。
そして再度リカバリーです。ホットバスとアイスバスで交代浴をして乳酸の除去などをして、各々が試合に向け準備します。
前日の金曜日。まずはジャージプレゼンテーションを行い、その後「キャプテンラン」と呼ばれる最後の調整を行います。
今回のジャージプレゼンターは、今年からチームに加入したS&Cコーチの木下コーチです。
木下コーチは、ベンチプレスの2016日本記録保持者であり、今年のパワーリフティングの日本チャンピオンでもあります。頂点を知る男から頂点を目指す選手に熱い言葉を送りました。
日本一を経験している木下コーチが選手にかけた言葉は、「日本一になるためには、常に日本一を意識した過ごし方をすること」でした。
練習、リカバリー、食事、過ごし方、全てを「日本一」と表現するに値する内容に仕上げることが、日本一になるための最善の方法であると。「明日の試合を日本一の試合にする、という思いではなく、今日、今この瞬間から、日本一の過ごし方をしましょう」と声を掛けました。選手の表情も引き締まり、「日本一」の想いを胸にそれぞれがジャージを受け取りました。
迎えた試合当日、午前中の雨も午後には止み、多少蒸し暑いものの試合に適した気候となりました。
パナソニックのキックオフで試合は始まります。
チャレンジャーである我々は、最初から全力でパナソニックに仕掛けます。
15番バンワイクのランなどで敵陣深くに攻めこみゴール前のチャンスを得たり、マイボールの時間を増やし我慢強く攻撃することで相手の反則を得たりと、東芝ペースで試合を運びます。
しかし、ラインアウトのミスが続き、得点には至りません。
良い流れをそのままスコアに結びつけられたら、その流れを継続することは出来ますが、チャンスを逃すということは、流れも相手に渡してしまうということになります。
直後、パナソニック山田選手の個人技でインゴールまで持ち込まれますが、TMOの判定によりノートライ。パナソニックも流れを掴みきれず、ここまでは互角の戦いでした。
前半18分:一進一退の攻防の中、パナソニックの反則からゴール前でラインアウトのチャンスを得ます。最初はミスのあったラインアウトですが、試合中にしっかりと修正し、マイボールを確保すると、東芝の武器でもあるモールで見事に先制トライを奪います。(東芝7-0パナソニック)
このトライを起点に更に良い流れを作りたかったのですが、やはり長年トップに君臨しているチームは乱れません。
この日絶好調の、パナソニック山沢選手の見事なキックでゴール前まで攻め込まれ、そのままトライされて同点に追いつかれてしまいます。(東芝7-7パナソニック)
ここからはお互いに、ミスはあるものの素晴らしい集中力を見せます。
東芝が、セットプレーなどで圧力をかけて15番バンワイク選手がトライすると、パナソニックは相手ボールを奪いすぐさま攻撃に転じ、山田選手がトライを獲るという、お互いの持ち味がぶつかり合う展開となりました。(東芝14-14-パナソニック)
前半40分:前半終了間際、この試合のポイントとなる場面が起こります。パナソニック陣22m付近でのパナソニックボールスクラムで、セオリーであれば蹴りだして前半終了というところでしたが、東芝の一瞬の隙を、パナソニック山沢選手は見逃しませんでした。スクラムからキックパスで繋ぐとそこから展開し、東芝陣まで攻め込みます。堪らず反則をしてしまい、3点を献上してしまいます。
前半最後まで、しっかりとプレッシャーをかけられていれば、この3点は与えずに済みました。パナソニックとの差を見せつけられてしまったシーンでした。(東芝14-17パナソニック)
後半スタートから21番小川を投入し、テンポを上げます。
ミスがありながらも、一人一人が確実に前に出て前進し、あと5mのところまで攻め込みますが、パナソニックは相手のミスから一気に攻撃に転じることを得意とするチーム。
最後の最後でミスによりスコアが繋がらず相手にボールを渡してしまうと、約90m走られて、あわや独走トライかと思われるシーンがありました。
しかし、パナソニックの絶好調な選手が山沢選手ならば、東芝はバンワイク選手でした。
逆サイドからもの凄い勢いで追走し追いつきます。そのボールを同じく諦めずに追いかけていた12番ファアウリが確保しトライを防ぎます。
結果としてその後のスクラムからの攻撃でパナソニックにトライを奪われてしまいますが、このトライセーブは、彼らの意地とプライドが見受けられたプレーで、何としても勝つという強い意志を感じました。(東芝14-24パナソニック)
その後も一進一退の攻防が続く中、またもパナソニック山沢選手の個人技が決まり、トライを奪われてしまいます。このトライは、敵ながら非常に素晴らしいプレーであると感じました。(東芝14-31パナソニック)
この試合のMOMは彼でしたが、間違いなく賞賛に値するプレーの数々がありました。
去年までの東芝であれば、流れが完全にパナソニックに傾いたまま、このままズルズルやられてしまうところですが、前半の反省を活かし、選手は集中力を切らしません。
パナソニックの強固なディフェンスに対して、何度も何度も諦めずに攻め続けます。
後半26分:パナソニックのペナルティーから、10番ハリスの正確なタッチキックでゴール前ラインアウトを得ると、そこからモールを組み最後は21番小川がモールサイドを駆け抜けトライを奪います。(東芝19-31パナソニック)
パナソニックも追加点を狙って攻めますが、ゴール前で何としても止めるという執念が見える東芝ディフェンスにより、間一髪のところで止め切ります。
ピンチを凌げば、チャンスが訪れます。
後半39分:我慢強く攻撃を続け、じわりじわりとパナソニック陣内へ攻め込み、最後は、全員の意志を繋ぐボールを14番宇薄がインゴールへ運びトライ。
ラストワンプレーがあるかと思われましたが、無情にもここでノーサイドとなってしまいました。(東芝24-31パナソニック)
東芝としての意地が垣間見えた試合であっただけに、この敗戦は非常に悔しいですが、東芝としてのメッセージはファンの皆さんに少しは伝えられたのではないかと思います。
敗戦ではあるものの、その思いが最後のトライに繋がり、ボーナスポイント獲得という結果まで結びつけることが出来ました。
今シーズン2敗目を喫したのは本当に痛いですが、今シーズンはカンファレンス4位までに入ることで、決勝トーナメントへ進出できます。
諦めること無く、この試合でお見せできた東芝らしさを試合中にもっと感じて頂けるように、これからも精進してまいります。
次節は、秩父宮でのリーグ戦最後の試合となります。
リーグ後半戦の爆発のきっかけになるような試合をお見せできるように頑張りますので、会場での応援宜しくお願い致します。