ジャパンラグビートップリーグ
2018-2019 第6節
2018年10月13日(土)13:00〜
いわきグリーンフィールド
東芝ブレイブルーパス | 24 − 26 | クボタスピアーズ |
- 24
- 26
チーム名 | 時間 | T | G | P・G | D・G | 小計 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() |
前半 | 3 | 3 | 0 | 0 | 21 | 24 |
後半 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | ||
![]() |
前半 | 1 | 0 | 2 | 0 | 11 | 26 |
後半 | 2 | 1 | 1 | 0 | 15 |
出場メンバー
- 1三上 正貴
- 2湯原 祐希
- 3知念 雄
- 4ヘンコ・フェンター
- 5小瀧 尚弘
- 6リーチ マイケル
- 7山本 紘史
- 8德永 祥尭
- 9小川 高廣
- 10中尾 隼太
- 11宇薄 岳央
- 12増田 慶介
- ○13リチャード・カフイ
- 14ジョネ・ナイカブラ
- 15コンラッド・バンワイク
- 16森 太志
- 17橋本 大吾
- 18浅原 拓真
- 19松田 圭祐
- 20藤田 貴大
- 21藤井 淳
- 22渡邊 太生
- 23松岡 久善
○印 ゲームキャプテン
交替
前半 | ||
---|---|---|
37分 | 松田 圭祐(ヘンコ・フェンター) | 入替 |
後半 | ||
---|---|---|
0分 | 浅原 拓真(知念 雄) | 入替 |
11分 | 森 太志(湯原 祐希) | 入替 |
20分 | 松岡 久善(コンラッド・バンワイク) | 入替 |
23分 | 橋本 大吾(三上 正貴) | 入替 |
31分 | 渡邊 太生(増田 慶介) | 入替 |
33分 | 藤田 貴大(山本 紘史) | 入替 |
一時
前半 | |
---|---|
後半 | |
---|---|
カード
前半 | |
---|---|
後半 | |
---|---|
トライ
前半 | |
---|---|
1分 | 小川 高廣 |
9分 | 湯原 祐希 |
26分 | ジョネ・ナイカブラ |
後半 | |
---|---|
TLのリーグ戦も終盤にさしかかり、残り2戦。第6節のクボタ戦。
前節のヤマハ戦では、不甲斐ない試合をして敗戦となり、上位トーナメント進出へ本当にあとの無い状況となりました。
しかし、ヤマハ戦の敗戦後、選手たちはショックが大きい中でも、やらなければいけないことをもう一度見つめ直し、ポジティブにクボタ戦の準備を行いました。
ヤマハ戦では、セットプレーで勝負しようという部分で相手にやられてしまいましたが、クボタ戦ではもう一度その部分で戦うという意志の元、練習からチーム内でやりあうことで奮起していきました。
チーム全員がこの状況を打破するべく、練習にも熱が入りました。
この週も、メンバー外の選手の熱は非常に高く、メンバーに対して「もっとやってくれ!」「頼む!」という強いメッセージが送られていると感じました。
そして迎えた試合前日、恒例のジャージプレゼンテーションは、元監督の和田賢一さんでした。
自分が指揮していた時の選手も多数残る中、和田さんからとても熱いお言葉を頂きました。
「今の状況が非常に苦しい状態であることには違いない。だが諦めるわけにいかない。そして前へ進むためには何かを変えなければならない。その中で“過去と他人”は変えることは出来ないが、“未来と自分”は間違いなく変えられる。変えるのは監督でもコーチでもない、選手自身だ。」と、チームのベクトルを正すような、真っ直ぐなメッセージを頂きました。
その後、選手一人一人へジャージを渡し、最後はキャプテンのカフイが締めくくりました。
カフイは、和田監督時代に和田さんに誘われて東芝へ加入しました。
その当時の思いや、色々な感情が込みあげ、言葉に詰まりながらも、感謝の意と、東芝に対するロイヤリティーを語り、そしてクボタ戦での必勝の思いを伝えました。
準備は整い、いざ決戦です。
東日本大震災以降、我々が毎年復興支援をさせて頂き、東芝ラグビー部を懇意にして下さっている福島県いわき市において、試合は行われました。復興支援を通じて、いわき市は、東芝に対して特別な想いを強く持ってくださっています。東芝にとって“第2のホーム”ともいえるような応援体制で、3度目となる今年も温かく迎えて下さいました。
試合当日も様々なイベントで盛り上げて頂き、会場周辺はラグビー一色という雰囲気でした。
その結果、いわきグリーンフィールドにおける試合(ラグビー以外も含む)で、過去最高の入場者数を記録したことは、我々にとっても本当に嬉しく、感謝の思いでいっぱいです。
あとは、試合で、いわきの皆様に恩返しするだけです。
そして迎えた13:00。クボタボールのキックオフで試合は始まります。
試合は、意外な展開で始まります。
前半0分:クボタのキックオフのボールを、7番山本がキャッチしてラックを作ると、9番小川から6番リーチ、10番中尾、そして大外にいる15番バンワイクへ飛ばしパスを放ち、そのまま敵陣10m付近まで相手を交わしながら攻め込み、最後はサポートについていた9番小川がパスを受けそのまま走り切り、ノーホイッスルトライとなりました。(東芝7−0クボタ)
これまでにない素晴らしい試合の入りとなり、選手全員のこの試合にかける意気込みを感じました。
前半8分:良い流れはそのまま続き、クボタ陣ゴール前の相手ボールスクラムを押してターンオーバーすると、再度スクラムを選択してプッシュし、ラックを連取して、最後は2番湯原がインゴールに押し込み追加点を奪います。(東芝14−0クボタ)
課題とキーポイントにしていた、スクラムからの得点とあって、非常に士気の上がるトライでした。
しかし、2m級の外国人選手3名を擁するクボタは、ラインアウトにてハイプレッシャーをかけてきます。東芝陣ゴール前のラインアウトにてプレッシャーを受け、そのままゴール前に釘づけにされます。そしてマイボールのスクラムをクボタにターンオーバーされたあと、そのまま展開され、前半14分にトライを返されます。(東芝14−5クボタ)
その後、PGで更に追加点を挙げられます。(東芝14−8クボタ)
前半25分:直後のキックオフで、絶好調のこの選手が魅せます。東芝のキックオフをキャッチした相手選手のパスミスから、14番ジョネが素晴らしい嗅覚でボールを奪い、そのままインゴールへ駆け込んで、流れをクボタへ渡しません。(東芝21−8クボタ)
真面目に、愚直に、気を抜くことなくしっかりと追っていなければ、決してジョネにボールが渡ることはありませんでした。まさに、勝利への執念と彼のプレースタイルが生んだトライでした。
その後、クボタにPGで3点返されますが、東芝ペースのままリードして前半を終えます。前半終了(東芝21−11クボタ)
後半に入り、前半の勢いをそのまま継続すべく、果敢に攻めこみ追加点を狙いますが、クボタ陣22mへ攻め込むものの、ミスで得点には至りません。
流れが徐々にイーブンになってくる中、ハーフウェイ付近でクボタにインターセプトされトライを許してしまい、流れは完全にクボタへと傾きます。(東芝21−18クボタ)
前半のリードはどこへ行ってしまったのかと感じるほど、あっという間に3点差に詰め寄られてしまいました。 その後は、ディフェンスの続く我慢の時間が流れます。
懸命に守って相手ボールを奪い、なんとかクボタ陣ゴール前のラインアウトを得ます。ここで得点し、再度主導権を握りたいところでしたが、痛恨のラインアウトミスにより、マイボールを失います。そのボールをクボタに繋がれ、チャンスから一転、一気にトライまで許し、ついに逆転されてしまいます。(東芝21−23クボタ)
逆転後も、リザーブ選手を中心に再逆転を狙って果敢に攻めますが、得点には至りません。
後半39分:9番小川のランからインゴールに蹴り込み23番松岡が追走しトライを狙いますが、これはデッドゴールラインを割り、クボタ陣10m付近でクボタボールのスクラムとなります。万事休すかと思われましたが、FWがスクラムで最後の意地を見せクボタのコラプシングの反則を誘いPGを獲得、9番小川がしっかりと決め、土壇場で逆転に成功します。(東芝24−23クボタ)
試合終了80分のホーンまで残り数秒。クボタのキックオフからのリスタートを凌げば勝利という状況で、クボタはショートキックでマイボール確保を狙います。
しかし、クボタのノックオン。東芝ボールのスクラムがレフリーより指示されたところで、80分のホーンが鳴ります。
ラストワンプレーです。
このスクラムからボールを出し、外に蹴りだせば勝利です。
会場全体が固唾を飲む状況の中で最後のスクラムを組みます。
誰もが勝利を信じたスクラム。東芝のフロントならば、東芝のスクラムならば。誰もがそう信じましたが、無情にもそのスクラムで、ヘッドアップの反則を取られてしまいました。
10m中央からのクボタのPGは難なくゴールポストを越え、想いも虚しくここで幕切れとなりました。(東芝24−26クボタ)
なぜあと数秒耐えられなかったのか。前半あれほど優位だったにも関わらず、なぜここまで追いつめられてしまったのか。なぜ。なぜ。ただそれだけが頭の中で何度も繰り返されます。
しかし、これが今の東芝の現状であることを、受け入れなくてはなりません。
この敗戦と、他チームの結果から、この時点で下位トーナメントが決定してしまいました。
毎試合勝利を信じ、今年こそ優勝をと願って、常に応援して下さった皆様には非常に申し訳ない気持ちで一杯です。
しかし、TLのリーグ戦はまだ一試合残っています。来月にはカップ戦も行われます。
落ち込む時間など微塵もありません。
気持ちを切り替え、覚悟を決め、腹をくくり、そしてこだわってきたものを再度貫き通す。
もう、これしかありません。
東芝の意地を張るべきときは、今です。
最終節のホンダ戦は、今後のためにも、皆様にこれぞ東芝というメッセージが伝わる試合をしなくてはいけません。必ずしてきます。
もう一度、我々を叱咤してください、鼓舞してください。
皆様に伝わる試合を必ずお見せしますので、今シーズン最後まで、どうか応援宜しくお願い致します。