ジャパンラグビートップリーグ
2018-2019
順位決定トーナメント 1回戦
2018年12月2日(日)11:30〜 熊谷スポーツ文化公園
東芝ブレイブルーパス | 48 − 26 | 日野レッドドルフィンズ |
- 48
- 26
チーム名 | 時間 | T | G | P・T | P・G | D・G | 小計 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() |
前半 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 21 | 48 |
後半 | 5 | 1 | 0 | 0 | 0 | 27 | ||
![]() |
前半 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 26 |
後半 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 21 |
出場メンバー
- 1三上 正貴
- 2森 太志
- 3浅原 拓真
- 4梶川 喬介
- 5ジェームス・タッカー
- 6リーチ マイケル
- 7山本 紘史
- 8ヘンコ・フェンター
- ○9小川 高廣
- 10中尾 隼太
- 11宇薄 岳央
- 12渡邊 太生
- 13東口 剛士
- 14ジョネ・ナイカブラ
- 15豊島 翔平
- 16橋本 大吾
- 17金 寛泰
- 18藤野 佑磨
- 19大野 均
- 20藤田 貴大
- 21藤原 恵太
- 22ジョニー・ファアウリ
- 23松岡 久善
○印 ゲームキャプテン
交替
前半 | ||
---|---|---|
後半 | ||
---|---|---|
15分 | 藤田 貴大(リーチ マイケル) | 入替 |
21分 | 橋本 大吾(森 太志) | 入替 |
27分 | 金 寛泰(三上 正貴) | 入替 |
ジョニー・ファアウリ(渡邊 太生) | 入替 | |
大野 均(ジェームス・タッカー) | 入替 | |
33分 | 藤原 恵太(中尾 隼太) | 入替 |
34分 | 藤野 佑磨(浅原 拓真) | 入替 |
36分 | 松岡 久善(東口 剛士) | 入替 |
一時
前半 | |
---|---|
後半 | |
---|---|
カード
前半 | |
---|---|
後半 | |
---|---|
トライ
前半 | |
---|---|
30分 | ペナルティ・トライ |
33分 | 宇薄 岳央 |
36分 | 山本 紘史 |
後半 | |
---|---|
2分 | 宇薄 岳央 |
10分 | ジョネ・ナイカブラ |
13分 | 宇薄 岳央 |
26分 | ジョネ・ナイカブラ |
38分 | 松岡 久善 |
カッププール戦も終わり、今月よりリーグ、カップともに総合順位決定トーナメントが始まりました。
東芝は残念ながら、TL総合順位決定トーナメントにおいては下位トーナメントとなってしまい、この試合を落とすと、入替戦に回ってしまうため、今シーズンで一番負けられない試合となりました。
カッププール戦では、本来の力強さが出てきて全員のやるべきことがより明確になり、チームへの想いの強さが増すなど、ポジティブな雰囲気の中、日野戦へ向かうことができました。
練習も意識高く臨み、集中力を高め、試合に向けての準備はしっかり整いました。
そして、今年度恒例となった、前日のジャージプレゼンテーション。
この試合の重要性を考えて、監督が指名したプレゼンターは、キャプテンのカフイ選手でした。
日野戦は、残念ながらメンバー入りすることが出来ませんでしたが、キャプテンとして常にチームのことを考え、メンバーではなくともグラウンドで声を張り、チームのために尽力する姿を見せてくれるカフイ選手しかこの日のプレゼンターは務まらなかったでしょう。
カフイ選手は、ジャージの重みについて、2つのことを皆に伝えました。
まず、「チームの繋がりの深さがこのジャージを特別なものにしてくれている。このチームは仲がいいのはもちろんだが、時にはお互い厳しく指摘し合い、辛いときは助け合い、皆のためにもうひと頑張り出来る選手が集まったチームだ」と。
そして、「ジャージを受け取った選手は、チーム全員がジャージに込めた想いを体現してくれると信じている。限界まで疲れても、もう一度立ち上がってタックルしにいってくれるだろう」と続け、最後にこんなメッセージを伝えました。
「私たちは、カジ(梶川)が体を張って何度も何度もタックルしてチームを救ってくれていることを知っている。タケ(宇薄)がチームのために常に全力を尽くしてくれていることも知っている。フトシ(森)のプレーを見るたびに、心に灯る熱い炎を感じている。想いの込もったプレーの全てが、皆にこのジャージを着てプレーしたいと思わせ、そして、このジャージを特別なものにしてくれているんだ。私はこの試合に出られないが、タカ(小川)がキャプテンとしてチームを引っ張ってくれるので、私はすべてを任せることができる。必ず勝とう。」
キャプテンの言葉に込められたその想いの深さに皆が共感し、一人一人が、ジャージを受け取る責任をしっかり感じられたと思います。
試合は、2019年のワールドカップのために改修された熊谷ラグビー場で行われました。
以前に比べ、メインスタンドとバックスタンドの位置が逆になり、ロッカールームは今まで見たことのない円形のスペースで、非常に素晴らしい球技場に生まれ変わりました。
試合は、東芝のキックオフから始まります。
試合開始から、6番リーチ、14番ジョネが激しいタックルで相手ボールを奪うと、そこから連続攻撃を繰り返し、相手陣でのプレーを続け、何度も攻め立てます。
しかし、お互い負ければ入替戦ということもあり、日野も鉄壁のディフェンスを繰り返して、中々スコアすることができません。そんな一進一退の攻防が20分以上続きスコアは動きません。
拮抗した状態を最初に打ち破ったのは、前半21分、日野でした。
攻めに攻めてトライを取り切れずにいるところでペナルティーを犯してしまい相手ボールになると、そこから継続され、簡単にトライを奪われてしまいます。(東芝0−5日野)
20分間攻め続けて得点を奪えず、逆に失点を許してしまう。今までの東芝であれば間違いなくこの悪い流れを引きずってしまい、そのまま自分たちのペースを取り戻せずにいましたが、カップ戦で培った成長を、ここからしっかりと活かします。
前半29分:ゴール前で日野が得点に絡むペナルティーを犯したとして、シンビンを受け14人となり、絶好の場所でペナルティーのチャンスを得ると、東芝は迷わずスクラムを選択します。4度組み直し、しっかり押し込んでさらに2度のペナルティーを奪うと、レフリーからペナルティトライの認定を受け、この日初のスコアを自分たちの拘るプレーから奪ったことで、流れを自ら引き寄せます。(東芝7−5日野)
このシンビンが試合のターニングポイントになったといっても過言ではないでしょう。そのポイントでしっかり得点に結びつけたことは成長の証です。
そして、一度掴んだ流れをしっかり継続し、ここからトライを重ねます。
前半32分:連続攻撃から、相手にインターセプトされる寸前の絶妙なパスを通すと、最後は11番宇薄がトライ。(東芝14ー5日野)
前半35分:相手KOからボールをキープして自陣から攻めると、10番中尾の好判断から相手ディフェンスを切り裂き9番小川へパス、さらにビッグゲインします。
最後は、7番山本がラックから持ち出したところを6番リーチとともに押し込み、3連続トライを奪います。(東芝21−5日野)
前半終了間際の日野の猛攻も、しっかりと止めきることが出来ました。
後半は、前半の勢いを保つどころかさらに加速します。
後半1分:相手のキックを11番宇薄が確保し、そのまま相手をかわすと、ここからは宇薄の独断場となりました。次々に相手をかわし50mで5人を振り切ると、8番フェンターの追走の気配を感じ取り、相手DFの裏へ転がすキックでパスを送りますが、惜しくもタッチラインを割ってしまいます。しかし、なおも敵陣7m付近まで相手を追い込むと、そのリスタートのラインアウトでプレッシャーをかけて相手のミスを誘います。そこから継続して攻め続け、最後は11番宇薄がトライをして、得点に絡む起点と着地点を全て11番宇薄がまとめ上げました。(東芝26−5日野)
その後も主導権を握ったまま、攻め続けます。
後半9分:相手のショートキックパスを14番ジョネが奪うと、相手ディフェンスを振り切って圧巻の70m独走トライを決め、追加点を重ねます。(東芝31−5日野)
後半12分:相手に攻め込まれながらも、13番東口のタックルで相手のミスを誘いターンオーバーすると、またも宇薄が魅せます。相手をハンドオフで跳ねのけると、85m走り切ってトライを決めます。(東芝38−5日野)
その後日野の猛攻を受けますが、この日のDFは崩れることなく守り切り、そのままさらに攻め込みます。
後半25分:相手のキックからカウンターを仕掛けると、FWとBKが一体となって縦へ切り込み、最後は14番ジョネが押さえます。(東芝43−5日野)
残り15分、ここまでは非常に精度の高い試合を展開していましたが、ここからは反省の多い内容となってしまいました。
自陣から継続する中で、ちょっとしたコミュニケーションミスからインターセプトされてトライを許すと、またも自陣にてパスミスしたボールを相手に拾われ、連続でトライを献上してしまいます。(東芝43−19日野)
変わって入ったリザーブの選手は、存在感あるプレーで流れを引き寄せる役割を果たしてくれますが、試合経過の中で途中出場することから、意思疎通のズレや判断の選択ミスから流れを切ってしまう可能性も時にはあります。
この点差にも関わらず自陣から無理に攻める必要があったのか、キックでエリアを獲得したほうが良かったのではないか、など色々と思い返す点はありますが、簡単なミス1つで相手に得点を与えていることこそが問題です。真に優勝を狙おうとするチームにおいて、このようなミスは決してあってはならないのです。
後半37分:2連続トライを奪われたものの、その直後のキックオフでリザーブ選手が得点に絡みます。19番大野が相手に競り勝ちマイボールを確保すると、そのボールを素早く展開し、最後は23番松岡が相手2人を弾き飛ばして快走し、トライを奪います。(東芝48−19日野)
しかしその後、相手のキックオフを上手くキャッチできずに相手に獲られると、そのまま3分間、攻撃を継続され、トライを奪われて試合終了となりました。(東芝48−26日野)
総合順位決定トーナメントの初戦は無事に勝利をおさめ、入替戦は回避しましたが、決して手放しで喜べる内容ではありませんでした。
今年は、残念ながら、もう優勝争いには絡めません。
日本一を目指すチームとしての意識、集中力、コミュニケーション力を高い精度で保つことが出来たのかと問われると、疑問が残ります。
我々の目指すべき目標はここではないという苦言を自らに呈し、次節のNEC戦は、自らに指をさして正し、精度の上がった試合を皆様にお見せできるよう、士気を高めていきます。
次節の開催地はアウェーとなりますが、皆様の温かい応援をどうぞよろしくお願いいたします。