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ジャパンラグビー トップリーグ2021 第3節

2021年3月6日(土)14:00〜 釜石鵜住居復興スタジアム

東芝ブレイブルーパス 58 − 7 三菱重工相模原ダイナボアーズ
58
東芝ブレイブルーパス
 7 
三菱重工相模原ダイナボアーズ
試合結果のスコアボード
チーム名 時間 T G P・T P・G D・G 小計 合計
東芝ブレイブルーパス 前半 4 3 0 1 0 29 58
後半 5 2 0 0 0 29
三菱重工相模原ダイナボアーズ 前半 0 0 0 0 0 0 7
後半 1 1 0 0 0 0

出場メンバー

  • 1田中 圭一
  • 2平田 快笙
  • 3知念 雄
  • 4伊藤 鐘平
  • 5小瀧 尚弘
  • 6○リーチ マイケル
  • 7マット・トッド
  • 8山本 浩輝
  • 9高橋 昴平
  • 10ジャック・ストラトン
  • 11松延 泰樹
  • 12ジョニー・ファアウリ
  • 13セタ・タマニバル
  • 14ジョネ・ナイカブラ
  • 15豊島 翔平
  • 16大内 真
  • 17金 寛泰
  • 18深村 亮太
  • 19シオネ・ラベマイ
  • 20佐々木 剛
  • 21杉山 優平
  • 22桑山 淳生
  • 23宇薄 岳央

○印 ゲームキャプテン

交替
交替前半の一覧表
前半
32分金 寛泰(田中 圭一)入替
交替後半の一覧表
後半
11分宇薄 岳央(豊島 翔平)入替
深村 亮太(知念 雄)入替
15分佐々木 剛(マット・トッド)入替
21分大内 真(平田 快笙)入替
杉山 優平(高橋 昴平)入替
25分桑山 淳生(ジョネ・ナイカブラ)入替
29分シオネ・ラベマイ(リーチ マイケル)入替
一時
一時の前半一覧表
前半
  
一時の後半一覧表
後半
  
カード
カードの前半一覧表
前半
  
カードの後半一覧表
後半
28分小瀧 尚弘イエロー
トライ
トライの前半一覧表
前半
12分セタ・タマニバル
20分高橋 昴平
25分ジョネ・ナイカブラ
36分小瀧 尚弘
トライの後半一覧表
後半
4分ジャック・ストラトン
14分松延 泰樹
21分佐々木 剛
32分佐々木 剛
40分松延 泰樹

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概要

ジャパンラグビートップリーグ2021の第3節は3月6日(土)に釜石鵜住居復興スタジアムにて、三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦した。釜石鵜住居復興スタジアムは震災で全壊した小中学校の跡地に建設されたスタジアムとなり、震災から10年となる今年は試合前には黙祷が行われ、約1,500人のファンが見守るなか試合が行われた。
試合は前半5分、敵陣10m付近でペナルティーを獲得すると、ストラトンがペナルティーゴールを決めて3-0。前半12分、敵陣ゴール前左ラインアウトからFWがモールを組みゴール前まで迫ると、FWが連続攻撃、最後は橋からボールを受けたタマニバルが左中間にトライ、ストラトンのゴールも決まり10-0。前半20分、自陣ゴール前ディフェンスで山本(浩)が相手ボールを奪うと、橋が相手でディフェンスの間を抜けて90mを走り切り中央へトライ、ストラトンのゴールも決まり17-0。前半25分、敵陣22m右ラインアウトからBKへ展開、ナイカブラがゲインラインを越えるとそのまま連続攻撃。最後はストラトンからボールを受けたタマニバルが相手の裏に出ながらオフロードパスでナイカブラへ繋ぎ右中間にトライ、22-0。前半36分、ハーフウェイ付近で獲得したペナルティーから相手の隙をついてタップキックでリスタート、敵陣22m内まで入るとラックからボールを受けた伊藤が素早くパス、小瀧が抜け出しそのまま中央にトライ、ストラトンのゴールも決まり29-0で前半を折り返す。
後半4分、敵陣10m付近中央スクラムをFWが押し込むと、橋が持ち出してディフェンスを引き付けストラトンにパス、そのまま抜け出して左中間にトライ、ゴールも決まり36-0。後半10分、相手チームに1トライ1ゴールを返され36-7。後半14分、敵陣22m中央スクラムからBKへ展開、ディフェンスが寄ったところで松延へロングパス、松延が左隅にトライ、41-7。後半21分、キックカウンターからボールを継続して攻撃、ナイカブラが個人技で抜け出しチャンスを作ると、ナイカブラ→山本(浩)→佐々木とオフロードパスを繋ぎ右中間にトライ、46-7。後半32分、敵陣ゴール前左ラインアウトからFWがモールを組むとそのまま押し込んでトライ、51-7。後半41分、敵陣ゴール前右ラインアウトからFWがモールを押し込みBKへ展開、杉山→ストラトン→宇薄→松延と繋ぎ左中間へトライ、ストラトンのゴールも決まり58-7で試合終了。(勝ち点5獲得)

レビュー

第3節、三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下:重工)との対戦は、東日本大震災の被災地である岩手県の釜石鵜住居復興スタジアムにて行われました。
今年は、震災から10年という節目の年に当たります。
震災以降、福島県・岩手県をはじめとした東北地方の被災地において、チームとして微力ながら復興支援に携わらせていただきました。節目の年に、特別な思い入れのある場所で試合ができることに対して深い縁を感じ、この巡り合わせに感謝したいと思います。

今節はメンバーチェンジが大幅に行われました。特筆すべきはメンバー構成の年齢層です。
25歳以下の選手が23人中11人と約半数を占める中、最年長の宇薄岳央選手(35歳)が名を連ねるなど、メンバー構成における世代の調和が感じられました。
大勢の観客、メンバー外選手から託された想い、ファーストジャージの重み、勝敗が残る戦績。公式戦には練習試合とは異なるプレッシャーがかかる数々の要因があります。 そのプレッシャーを早期に経験できることは、選手のその後のラグビーキャリアにおいて間違いなく大きな財産になります。
過去の傾向として、前節に敗戦を喫した場合、次節では敢えてあまりメンバーを変えないという流れがありました。しかし、昨シーズンからは多くの選手にチャンスを与えチーム内の循環を良くして、新しいエネルギーを確実に活かしてチームに勢いを与えることができています。経験の浅い選手は、普段の練習や私生活を通してチームから信用されることが何よりも不可欠です。今節のメンバーに入った若手の選手たちは、試合に出る準備を普段から堅実に続けた結果、自らの力でチャンスを掴みチームから信頼されて託されたのです。

試合前日、ゲームキャプテンのリーチマイケル選手は「このチームにはスタッフも含めて非常に優れたメンバーが揃っている。残念ながらまだ結果は出ていないが、K9のおかげで、毎試合、準備はしっかりとできている。明日の試合、頑張るのは当然のこと。あとは何にフォーカスして頑張るのか。ただ漠然と試合に勝つために頑張るのではなく、一人ひとりがしっかりと考え、自分の役割に正しく焦点を当てて力を尽くせば、迷いのないプレーが必ず生まれる。そして自ずと勝利に繋がる。良い結果を持ち帰って、来週またここに戻ってこよう。」と、メンバーとして責任を果たすことの重要性を伝えました。試合に向け、ともに体を張って準備してきたK9選手たちへの敬意も決して忘れない、リーダーとしての重みのあるメッセージだったと思います。

試合開始前、東日本大震災の被災地であるこの地でこの年に試合ができることへの意義深さ、感謝の意、そして被災されて亡くなられた方々へ改めて追悼の意を込め黙祷を捧げました。

この試合における一番の成果は、ディフェンスでした。
12番のジョニー・ファアウリ選手を筆頭に、非常にアグレッシブなタックルを連発し、それに呼応するように、5番小瀧尚弘選手、8番山本浩輝選手、10番ジャック・ストラトン選手、14番のジョネ・ナイカブラ選手らが波状攻撃のように続き、重工を7点のみに抑えることができました。
被1トライについて言及したマドックBKコーチは「今日のディフェンスは非常に良かった。しかし、我々の完成形ではない。まだまだ高みを目指していける。」と前向きに捉え、チームの更なる進化を見据えて成長を促し、鼓舞しました。

前節での課題の一つであったアタックに関してもこの試合では修正され、FW・BKともに様々な形でトライを獲ることができました。
BKの躍動感溢れる攻撃があれば、FWもランニングやモールで見せ場を作り、前節までの鬱憤を晴らすかのようにトライの山を築き計9トライを挙げて勝利を収めました。(最終スコア:東芝 58ー7 三菱)

ゲームキャプテンのリーチ選手より岩手県の方々へ「震災から10年が経ち、釜石のラグビーファンの皆さまにこうして良いプレーを披露することができました。とても嬉しく思います。」と、その感慨深い想いを伝えました。

ブラックアダーHCは、試合翌週の最初のミーティングにおいて「今節の勝利に関して、改めてK9の選手たちに感謝を伝えたい。勝つことは大切。しかし、次に繋がる試合をするためには、結果だけが大事というわけではない。『試合に向けて良い準備をしっかりと行い、その準備があったからこそ勝てた。』これが、次試合に繋がる上で非常に大きな意味を持つ。今後も改善を重ね、準備の精度を常に上げていくことが重要。私はよく一貫性を持ってプレーすることを個々人に伝えているが、その意識をもった個が集まるチーム内には同様に一貫された意識が存在する。一貫性を持って成長しながら改善していくことが最も重要である。今週もしっかりとその点を意識して、皆で学びながら向上していこう。」と、試合に向けて貢献した選手全員に対して言葉を掛けました。 更に試合に関して「パフォーマンスに関しては良い場面がたくさんあった。その中でも一番嬉しかったことは、皆が80分間一度もスイッチを切らずにプレーしてくれたこと。これを我々のスタンダードレベルとして継続していこう。」と、皆の集中力を讃えるとともに、これがゴールではなくスタートであると檄を飛ばしました。
そして最後に「次のサントリー戦に向けて、この1週間はとてもエキサイティングな週になる。この週はもう一度全員でコミットする必要がある。それは、今後のチームにとって大きな意味のあるチャレンジになる。我々が今まで築き上げた文化をまずここで全て魅せよう」と、次節を見据えてスイッチを切り替えました。

次節は、3月13日(土)14:00〜 秩父宮ラグビー場にて、サントリーサンゴリアスと対戦します。活動拠点を同じくするチーム同士の伝統の「府中ダービー」。過去にも数々の名勝負を繰り広げてきた、歴史ある一戦です。
ファンの皆さんとともに喜べる結果を得られるよう、今週も質の高い準備を進めています。
次節の応援も、どうぞ宜しくお願いいたします。