ジャパンラグビートップリーグ
カップ 2018-2019
総合順位決定トーナメント 2回戦
2019年1月19日(土)14:00〜 パロマ瑞穂ラグビー場
東芝ブレイブルーパス | 33 − 28 | 神戸製鋼コベルコスティーラーズ |
- 33
- 28
チーム名 | 時間 | T | G | P・T | P・G | D・G | 小計 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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前半 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 12 | 33 |
後半 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 21 | ||
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前半 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 21 | 28 |
後半 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 7 |
出場メンバー
- 1橋本 大吾
- 2森 太志
- 3知念 雄
- 4梶川 喬介
- 5ジェームス・タッカー
- 6山本 紘史
- 7藤田 貴大
- 8德永 祥尭
- 9藤原 恵太
- 10渡邊 太生
- 11宇薄 岳央
- ○12リチャード・カフイ
- 13東口 剛士
- 14松岡 久善
- 15豊島 翔平
- 16湯原 祐希
- 17金 寛泰
- 18深村 亮太
- 19小瀧 尚弘
- 20李 聖彰
- 21小川 高廣
- 22ジョニー・ファアウリ
- 23伊藤 真
○印 ゲームキャプテン
交替
前半 | ||
---|---|---|
31分 | 深村 亮太(知念 雄) | 入替 |
後半 | ||
---|---|---|
3分 | 小瀧 尚弘(ジェームス・タッカー) | 入替 |
13分 | 小川 高廣(藤原 恵太) | 入替 |
22分 | 金 寛泰(橋本 大吾) | 入替 |
湯原 祐希(森 太志) | 入替 | |
ジョニー・ファアウリ(東口 剛士) | 入替 | |
28分 | 李 聖彰(德永 祥尭) | 入替 |
38分 | 伊藤 真(リチャード・カフイ) | 入替 |
一時
前半 | |
---|---|
後半 | |
---|---|
カード
前半 | |
---|---|
後半 | |
---|---|
トライ
前半 | |
---|---|
7分 | 森 太志 |
35分 | 橋本 大吾 |
後半 | |
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4分 | ペナルティトライ |
12分 | 深村 亮太 |
37分 | 深村 亮太 |
ついに今シーズン最終戦となりました。
相手は、トップリーグチャンピオンの神戸製鋼(以下神戸)です。
この試合を、優勝決定戦として迎えることができないことは非常に残念であり、この結果は我々の目指すところではありませんでしたが、最後は勝利して笑顔で終われるよう、中5日の短い準備期間ではありますが、やれることをチーム全員一丸となってやり切りました。
時節柄、体調不良を訴える選手も少なくなく、直前のアクシデントもありましたが、コンディションが良く、勝利に強く思い入れのある選手を試合に出すというコンセプトのもと、想定外の事態にも言い訳をせずに準備しました。
火曜日の練習では、先週の試合の反省点をしっかりと振り返ってフィードバックし、木曜日の練習には、改めて気持ちのスイッチを入れました。その木曜日の練習中に、今シーズン一番ともいえるコミュニケーション力が生まれ、誰か一人がチームを引っ張るのではなく、選手全員でチームの雰囲気を創り上げていました。
その中でも、久しぶりの出場となったカフイのキャプテン復帰は、無意識に皆に安心感を与え、雰囲気を明るく一変させる材料でした。
今シーズン最後となった、試合前日練習である「キャプテンズラン」は、メンバー外の選手もグラウンドを囲んで、試合メンバーの最後の調整を見守りました。
そして、最後は選手・スタッフ全員で円陣を組んで、今シーズン最後の練習を締めくくり、最後の戦いの場、名古屋は瑞穂へと向かいました。
迎えた試合当日は、最終戦に相応しい快晴の中での試合となり、東京からも大勢の方が応援に駆けつけて下さいました。
前半は、神戸のキックオフで試合がスタートします。
序盤は、ラインアウトで苦戦しながらも、アタック・ディフェンスともに、1人1人が前に出て神戸に対してプレッシャーをかけていき、敵陣でのプレーを増やしていきます。
前半6分:ハーフウェイ付近の神戸ボールラインアウトから球出しされたボールに対し、準備したとおり全員で前に出てディフェンスラインを上げると、2番森がインターセプトして40mを走り切り、先制トライを挙げます。(東芝7-0神戸)
その後も、前の試合でやられたブレイクダウンにおいて、7番藤田を筆頭にアグレッシブに仕掛けていきます。
しかし、神戸もチャンピオンとして、強みを全面に出して自分たちのペースを掴みにかかってきます。
ペナルティーからゴール前ラインアウトのピンチを迎えると、前半16分に得意のモールで押し込まれて同点とされてしまいます。(東芝7-7神戸)
流れをつかんだ神戸は、そこから変幻自在に、近場、大外と、グランドを広く使い、思い切りよく攻めますが、東芝も粘り強くディフェンスして応戦します。
しかし、連続攻撃によってできたスペースに上手く運ばれて、前半30分に神戸に連続トライを許してしまい、ここで逆転されてしまいます。(東芝7-14神戸)
もし、シーズン序盤で神戸と対戦していたら、このままズルズルと突き放されていたかもしれませんが、ここ数カ月で成長を見せたチームは、そう簡単にはやられません。
前半34分:神戸陣10m付近のスクラムでペナルティーを奪い、タッチキックで20m付近まで攻め込みます。そのラインアウトを上手く展開すると、12番カフイが縦に楔を打ち神戸ディフェンスを止め、走り込んできた8番徳永から内側を走る1番橋本に上手くパスすると、1番橋本がプロップとは思えない素晴らしいランでそのまま20mを走り切り、トライを返します。(東芝12-14神戸)
しかし、前半終了間際に再度トライを返され、更に点差を広げられてしまいます。(東芝12-21神戸)
ただし、接点の部分などでは、いい勝負が出来ていたこともあり、後半に期待がもてる内容の40分でした。
後半に入り、先手を打ったのは東芝でした。
後半3分:中盤での神戸のアタックを8番徳永がジャッカルしてターンオーバーし、キックでゴール前ラインアウトのチャンスを得ます。まずはラインアウトからモールを押して相手のペナルティーを誘うと、そのペナルティーのアドバンテージを上手く使い12番カフイがインゴールへキックし、ボールを押さえたかに見えTMOとなりましたが、これは惜しくも認められず、アドバンテージまで戻ります。再びラインアウトモールで押し込んだ後に展開し、神戸ゴール前で粘り強くアタックを続けます。最後は、9番藤原からのパスに11番宇薄が飛び込みトライ。かと、思いましたが、トライ直前に神戸の選手のハイタックルがあり、判定は認定トライ。無条件で7点獲得となりました。(東芝19-21神戸)
このトライは、相手ゴール前というタイトな位置から、全員が高い集中力を持って、FW・BK一体となって臨んだアタックでした。今シーズンやろうとしてきたことが最後に少しだけ形になった場面でした。
再び神戸の猛攻を受けて22m付近まで攻め込まれます。前半であれば、ここでトライを取られてシーソーゲームとなっていた場面でしたが、ここは全員がしっかりと前に出て1対1での勝負に勝ち、逆に相手のミスを誘います。そのターンオーバーしたボールを簡単にキックするのではなく、自陣から展開し、一気に敵陣10m付近まで攻め込み、更にそこでペナルティーを得ます。
後半11分:ラインアウトからのモールは押し込めなかったものの、先ほどのトライ同様に神戸陣ゴール前で粘り強く攻め続けます。そして、この試合、この選手がここから覚醒します。
ラック周辺での連続のピックアンドゴーが続く中、途中出場の18番深村がチーム1大きな手でボールを持ち出し、相手の隙を突いて突破すると、手をいっぱいに伸ばしてトライを奪い、ついに逆転に成功します。(東芝26-21神戸)
このトライに繋がる一連のアタックは、この試合のターニングポイントと呼べる素晴らしい攻撃でした。
しかし、神戸もチャンピオンとしての意地を見せつけます。
東芝の攻撃をジャッカルで何度もターンオーバーされると、後半18分に得意のモールでしっかり押し込まれ、再び逆転を許してしまいます。(東芝26-28神戸)
ここから約20分間、一進一退の攻防が続き得点が動かないまま刻一刻とノーサイドに近づきます。
2点ビハインドの状況の中、なんとしてもきっかけを作りたい一心で、1人1人が仕掛けながら全員で守ります。
きっかけは、しっかりと準備していたサインプレーでした。
中盤でのサインプレーの攻撃からペナルティーを奪いゴール前まで攻め込みます。
神戸ゴール前5mでのスクラムから圧巻の20フェーズを重ねて攻め続け、最後は16番湯原がインゴールになだれ込みますが、これはTMOにて惜しくもトライにはなりませんでした。
後半36分:トライにはなりませんでしたが、キャリーバックで再度スクラムとなり、1番橋本、16番湯原、18番深村が神戸FWを押し込んでアドバンテージを奪うと、すかさず展開してグランドを大きく使い全員でトライを狙いにいきます。
先ほど同様、ここからミスなく粘り強く継続して、最後はこの試合のMOM級の活躍をした18番深村が魅せます。
連続攻撃から、アタックラインで待っていた18番深村が右手で相手をハンドオフしながら、左手一本でボールを掴み、相手を引きずりながらインゴールにグラウンディングして値千金のトライを奪い、残り4分で逆転します。(東芝33-28神戸)
最後の攻撃を仕掛けてくる神戸に対して、相手ボールのキックオフを19番小瀧が見事にキャッチしてボールを確保すると、全員が勝ちへの執念を見せながらも冷静に慎重にボールを繋ぎ、見事ノーサイドを迎えました。
(最終スコア 東芝33-28神戸)
トップリーグではなく、カップ戦で、しかも優勝ではなく5位ではありますが、久しぶりにシーズン最後の試合を勝利で終えることが出来ました。
しかも、下した相手は、今シーズントップリーグで優勝している神戸製鋼です。
神戸製鋼は決してベストメンバーではない布陣でしたが、その条件で言えば我々も同じです。
相手云々ではなく、東芝としてシーズン最後に、ファンの皆さんにしっかりとメッセージ性のある試合を見せることが出来たことは、間違いなく来シーズンへと繋がる成果でした。
この勝利を、来シーズンは優勝決定戦という舞台でできるように、更に主体性をもってハードワークしていきたいと思います。
1年間、温かいご声援をありがとうございました。
心より、感謝申し上げます。
また、拙いレビューではありましたが、1年間ご拝読頂きありがとうございました。
振り返れば様々な試練のあったシーズンでしたが、皆様からの心温まる励ましのコメントを糧に、最後まで書き上げることができました。
この場をお借りしまして、御礼申し上げます。
最後に。
1月26日(土)に、ファンの皆様へ感謝の意を込めて、ファン感謝デーを開催いたします。
お時間の許す方は是非グランドへお越し頂き、選手たちと触れ合う時間を過ごして頂ければと思います。
たくさんの皆様のお越しを、心よりお待ちしております。