「ダイバーシティ」とは「人材の多様性」を指し、人種、国籍、年齢、性別、性的指向・性自認、宗教、信条、文化、障がい、キャリア、ライフスタイルなど、私たち一人ひとりの「違い」を意味します。
「インクルージョン」とは、多種多様な価値観や考え方をもつ私たち一人ひとりの能力やスキルが認められ、組織で個人が活かされている状態を意味します。
東芝グループは、お互いの違いを尊重し、受け入れ、活かすことにより、新たな価値や発想を生み出し、会社、組織そして多様なバックグラウンドをもつ従業員一人ひとりがいきいきと働きがいをもって活躍することで、健全かつ持続的な成長を成し遂げる「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」を推進しています。
また一人ひとりの人間性が尊重され、存在が認められ、歓迎されている、とすべての従業員が感じることができる職場環境づくりと風土醸成をめざします。
ダイバーシティ&インクルージョンの推進方針
東芝グループでは、ダイバーシティ&インクルージョンと機会均等を推進することは労働力確保やイノベーション創出など企業価値向上につながると考えており、性別や国籍、障がいの有無にかかわらず、多様な人材が活躍できる風土の常態化をめざしています。
特に、外国籍従業員、女性従業員、障がいをもつ従業員、LGBT+の従業員に対する制度や取り組みの充実を図っています。
外国籍従業員の採用拡大・活躍促進
当社では、ダイバーシティ&インクルージョン推進の一環として、また国内で獲得困難な分野の人材確保のため、外国籍従業員の採用を進めています。2022年度までに累計4名が入社し、設計や製造、機械加工などさまざまな分野で活躍しています。
また、「本物の5S活動」を通して、外国籍従業員が活躍しやすいような風土づくりなどの取り組みを強化しています。
なお、受け入れにあたってはコンプライアンスの観点から、出入国管理及び難民認定法で定められた就労可能な在留資格の取得・確認を、専門部門を有するアウトソース先と連携しながら行なっています。
女性従業員のキャリア形成促進
当社では、女性従業員の活躍促進施策を進めています。女性の個性と能力が十分に発揮できる社会の実現を目的に、国・地方自治体・一般事業主の女性活躍推進に関する責務を定めた「女性活躍推進法」が2016年度に施行され、当社は同法に基づく行動計画を策定しました。
女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画
- 1. 計画期間
- 2024年4月1日から2027年3月31日までの3年間とする。
- 2. 当社の課題
- 女性が少なく女性の管理職が少ない。
- 3. 取組内容
-
【目標】
管理職(役職者)に占める女性を5人以上とする - < 具体的施策 >
-
【取組1】管理職手前の女性社員を対象に管理職養成等を目的とした研修を実施する。
- 各年4月 研修内容の検討。
- 各年10月 対象社員への研修実施。実施後アンケート、ヒアリングを実施。
- 各年1月 アンケート、ヒアリング結果を分析する。
-
【取組2】職階等に応じた女性同士の交流機会の設定等によるネットワーク形成支援。
- 各年6月 交流機会の内容を企画検討。
- 各年10月 企画検討した交流機会の実施。
- 各年11月 アンケートを実施し今後の課題等分析し新たに企画を進めていく。
-
男性育休取得理解促進・取り組み施策
当社では、従業員の働きがい向上や働き方の見直し、多様な価値観の醸成に加え、男女ともに育児と仕事を両立して働いていく風土の醸成を図るため、男性の育休取得促進を支援し、さまざまな施策を進めています。
2022年度は、東芝グループ従業員向け、社内報を活用した男性育休取得者体験記、育児介護休業法改正内容の掲載、e-ラーニングを実施し、理解浸透を図っています。
さらに当社においては、2019年6月27日付けで、厚生労働省が制定している「次世代育成支援対策推進法」に基づく認定制度において、「子育てサポート企業」として認定されました。
今後も社員の多様な価値観を尊重し、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら、一人ひとりの能力を発揮できるような環境整備に取り組んでまいります。
~「くるみんマーク」とは ~
「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証です。次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができます。
次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画
当社は、従業員一人ひとりの多様な価値観・キャリアプラン・ライフステージを十分に尊重し、働きがいの向上と充実した生活が両立できるよう、そのワーク・ライフ・バランスの実現に向けて引き続き取り組んでいきます。
そのための仕組みの一環として、次世代育成支援に関し、次のように行動計画を策定します。
- 1. 計画期間
- 2022年4月1日から2025年3月31日までの3年間とする。
- 2. 内容
-
【目標1】
男性の育児休職取得人数を2人以上とする(計画期間中)
- <具体的施策>
- 育児休職や育児目的の休暇などの制度に関する資料を作成し周知する。
- 育児休業に関する教育を全従業員に実施する。
-
【目標2】
不妊治療のために利用することができる休暇制度の導入
- <具体的施策>
- 制度の導入。
- 制度について従業員への周知。
若者の採用・育成に積極的な企業として認定され「ユースエール」を取得しました
当社は、2023年4月20日付けで、厚生労働省が制定している「若者雇用促進法」に基づく認定制度において、「ユースエール企業」として認定されました。
~「ユースエール認定マーク」とは ~
若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業として厚生労働大臣の認定を受けた証です。今後とも、スキルアップはもちろん、相談しやすい環境作りによる職場への定着促進を進め、より一層若者を応援する企業を目指してまいります。
障がい者の雇用
2023年6月1日時点で、当社の障がい者雇用率は2.52%となっています。「本物の5S活動」を通して、障がい者の活躍支援にも積極的に取り組んでいます。
また、2021年度より障害者職業生活相談員向けの研修にも積極的に参加し、役割意識の醸成、情報共有・ネットワーク構築を図っています。
高齢者の積極活用
当社では少子高齢化が進むなかで、60歳定年以降も貴重な即戦力として、また高度なスキルや技能の伝承者としての役割を期待して、スキル・能力に応じて賃金水準が決まる65歳までの雇用延長制度を2001年に導入し、高齢者がいきいきと活躍できる仕組みを提供しています。
2013年4月に施行された「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の改正にともない、2013年4月以降に60歳に到達する正規従業員から、法改正の主旨をふまえて、原則希望者全員を雇用延長することとしています。
引き続き当社は、高齢者の働き方のニーズや個々のスキル・能力に応じた高齢者の活躍を積極的に推進していきます。
LGBT+の理解促進と取り組み
東芝グループでは、「東芝グループ行動基準」で、東芝グループの役員・従業員の行動規範として、性的指向等に関する差別的言動等の人権を侵害する行為をしないことを明示しています。
会社で使用する名前の取り扱いや、保険証の性別表記への配慮などを行うことで、多様な価値観をもつ従業員が働きやすい職場づくりをめざしています。
また、性的マイノリティに対する差別を解消すべく、2020年5月には「東芝グループにおけるLGBT+差別の禁止及び解消に関する基本方針」を策定し、全従業員に公開しました。
東芝グループにおけるLGBT+差別の禁止及び解消に関する基本方針
東芝グループは役員・従業員の行動基準に「人権の尊重」を掲げ、人種、宗教、性別、国籍、心身障がい、年齢、性的指向等に関する差別的言動、暴力行為、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント(職場のいじめ、嫌がらせ)等の人権を侵害する行為をしないと明記しました。
それに基づき、東芝グループは少数者にあたるLGBT+(Lesbian・Gay・Bisexual・Transgender及び他のセクシュアリティを含む)について、以下の方針により責任を持って対応します。
少数者を差別しません
性自認や性的指向は当グループが重視する本人の能力とは無関係であり、少数者ということで差別や嫌がらせがあってはなりません。
自己決定を尊重します
性自認や性的指向にかかわる情報やその開示・非開示、またそれらの表現は、当事者の意思でコントロールされるものであり、他者から不当に侵害されることがあってはなりません。
仕事・業務の妨げを取り除きます
LGBT+の少数者にとって仕事・業務の妨げとなる事柄は、適切な過程による合意形成を経て、合理的な範囲で取り除かなければなりません。東芝グループが新しい未来を始動させるため、誠実で、変革への情熱を抱く人材が会社の思いを思い描き、お互いに協力し合い、ともに生み出していくには、個性と多様な能力が発揮されることが不可欠なため東芝グループ全従業員を対象とした上記の基本方針を掲げ、対応を行います。
LGBT等に関する筑波大学の基本理念と対応ガイドラインに基づいて作成
働き方改革とワーク・ライフ・バランス
当社では、2019年4月から働き方改革を推進しています。柔軟な働き方の推進や業務改革、健康経営の推進によって、長時間労働の是正と付加価値の高い業務遂行につなげ、従業員一人ひとりが安全かつ健康でいきいきと働けるよう取り組んでいます。
また、2020年4月からは新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない、在宅勤務が可能な従業員については在宅勤務を徹底し、会議はオンライン会議を推進しています。
また、在宅勤務の定着と生産性向上を目的として、リモートワークにおけるコミュニケーションのあり方や工夫に関する動画の配信やオンラインでのITスキルアップ教育を展開しています。
新型コロナウイルス感染症の収束後については、出社とリモートワークを組み合わせて勤務する「ハイブリッド勤務」を志向し、在宅勤務による移動時間の有効活用によって、自身の健康作りのための時間、家族と過ごす時間の創出、育児・介護への参加、そして自身の学び直しのための時間等にあてていくなど、仕事以外の有意義な時間を創出し、更なるワーク・ライフ・バランスの実現をめざします。