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  • CONVERSATION
  • 部門担当役員
    インタビュー

バックグラウンドよりも大切なものがある
オーナーシップと情熱で、真のエンジニアに!(安西)
コミュニケーション力で、よい人間関係を!(吉田)
探求心、向上心、協調性で、やり抜く気持ちが大事!(清水)

機能軸を掛け合わせて、技術の化学反応を!
お客様目線の発想で、ベストコミュニケーションを!

親会社である東芝デバイス&ストレージ株式会社と連携し、半導体におけるソリューション提案、顧客技術支援、製品開発、技術評価、テスト・解析などを幅広く展開する「拡販技術統括部」「設計開発統括部」「製品開発統括部」の3つの部門担当役員から、学生の皆さんに熱いメッセージをお届けします。

みなさん技術者として長きにわたり活躍されてきましたが、ご自身のキャリアを振り返っていただけますか。

  • 吉田:入社してすぐに、テレビやビデオデッキのマイコンのソフトウエアを開発する部署に配属されました。その後、お客様に東芝の半導体を採用していただくための活動を行う拡販技術統括部門、製品の企画・開発を行う応用技術部門を経て中国での駐在を経験し、帰国後はシステムソリューション開発部門に配属されました。いろいろな部門を経験しましたが、一貫して言えることは、半導体を通じてお客様のお役に立ってきた、喜んでいただけたということです。
    貴重な経験は、ソフトウエア開発ベンダ様のソフトウエアを、東芝半導体とセットで販売する初めてのプロジェクトに参加したことです。技術的なことだけでなく、営業的なこと、法務的なことなど、これまで経験したことがないものばかりでとても新鮮でした。また、(株)東芝の研究所とセット事業部が進める先行技術開発に参画した際には、先を見る力を養うことができました。目先のことだけでなく、もっと先の技術に対してどういうチャレンジができるかという視点を大事にする感覚が、そこで培われたと思います。

  • 拡販技術統括部 担当役員 吉田

安西:1989年に入社以来、テレビや衛星放送製品のアナログIC設計を担当し、2000年以降は車載製品にも関わるようになりました。車の事故は人の命と直結しますから、この頃から設計に加えて品質やテストの重要性が比重を占めるようになりました。
自分の成長の陰には、必ず「製品」がありました。製品とともに技術者として大きく飛躍できたと感じています。そのきっかけとなったのは、当時一緒に開発していた東芝の工場の方々との出会いでした。プロ意識の高さを目の当たりにし、大きく影響を受けたのです。機能を実現し動かしているのは自分たちだ、という思いを常に持ち、技術者としての自我を早い段階で得ることができました。「成功に偶然はない、必然があるのみ」これまでの経験から、この思いを強く抱いています。

清水:入社以来半導体の設計に携わり、デジタルから始まり、のちにアナログも担当させていただきました。両方の設計を行うことで知識の向上はもちろんのこと、人とのつながりが広く深くなり、大きな転機がここにあったと感じています。印象に残っているのはビデオカメラ用のSoC(system on a chip)の開発を担当していた頃のことです。シーズンの商戦に間に合わせるべく連日スケジュールとの戦いで、お客様にご協力いただきながら対応していたのをよく覚えています。今は利益や効率を考えるあまり「失敗、ミスはNG」といった雰囲気になりがちですが、失敗からも多くのことを学びました。上司が温かく見守ってくれたからこそなのだと痛感しています。今は若い方のチャレンジを自分たちが見守る番です。

東芝デバイスソリューションは「機能軸」という考えで拡販技術統括部・設計開発統括部・製品開発統括部の
3つの組織で編成されていると聞いています。

  • 設計開発統括部 担当役員 清水

  • 吉田:拡販技術統括部は、東芝半導体をお客様に採用していただくために、技術的側面からさまざまなサポートを行う部門です。例えば、お客様が東芝半導体を製品に組み込んだ時に最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、技術情報の提供、お客様からの技術問い合わせへの対応、そして動作回路例や発熱のシミュレーションなども示しながらお客様への最適解を提案します。現在は東芝半導体の特長を生かし、お客様の課題解決に役立つソリューション提案に注力しています。

清水:設計開発統括部では、アナログ・デジタルで回路設計とレイアウト設計を行っています。設計機能を集約したことで、技術、ノウハウなどの横展開が容易になっています。回路設計、レイアウト設計など分業化をしていますが、技術者の幅を広げる目的でローテーションも行っています。幅広く経験、対応することで、自分の守備範囲だけでなく設計全体を見渡すことができるよう取り組んでいます。

安西:製品開発統括部は、製品技術、テスト、解析の業務があります。製品技術は製品を開発するうえでの設計、工程など開発全般の旗振り役であり、コストをはじめとし責任をもってゴールまでの道筋を計画、フォローします。出荷品質を保つ最後の砦であるテストは、不良品を市場に出さないという強い意志を持ちながら、東芝半導体テスト開発のフロントランナーとして広く貢献しています。万が一の不具合は、解析で改善点を探り当てます。事故はあってはなりませんが、不良品は宝の山という考え方もあります。新しい技術を用いた半導体は不良などの解析も多くなりますが、全体のレベルアップには必要不可欠です。宝の山を無駄にすることなく、技術の底上げに活用できるのは当社の大きな「強み」であると考えています。

清水:機能軸の組織となっていることから、さまざまな製品分野の設計開発に携わることができます。各部門の視点から意見を交わし参画できる体制が整っています。コスト、性能、効率などのあらゆる面で横展開し、東芝の半導体をより多くのお客様に使っていただけるよう、東芝半導体事業への貢献とともに、半導体業界の進歩にも大きく寄与していると自負しています。

安西:半導体を企画から設計、製造まで一貫対応できるIDM(Integrated Device Manufacturer)として、東芝は国内半導体メーカーの中でも非常に貴重な存在です。その中にあって、当社の機能軸ベースの組織は、グループの中でも間違いなくよい影響を与えています。SoCの話がありましたが、実はいま形を変えてその仕事をしているのが吉田さん率いる拡販技術統括部門です。システムを1Chipで提案するのがSoCなら、オープンイノベーションという形でお客様がシステムを個々の半導体でどう実現するかをソリューション提案するのが拡販技術統括部であり、半導体事業の本丸になってきています。その本丸を、機能軸で裏打ちされた設計やテスト、解析でしっかりと土台を固めることで、当社の存在価値がより確かなものになっています。

吉田:半導体業界は大きな変革期に入っていきます。さまざまな社会課題を解決する上で半導体は必要不可欠ですが、これまでと違う新しい発想力や構想力を持った技術者が必要になると思います。そんな技術者を生み出すべく、本質的な「何か」を学び取ることができる基盤とチャレンジできる風土が、当社には用意されています。

半導体業界をリードする技術者を育てるための教育についてお聞かせください。

  • 清水:会社全体としては、体系立てた教育を準備しています。キャリアプランニングでは、毎年2年後3年後を見据えて計画し、それをベースに各期の目標を立てていきます。技術面、組織内での立ち位置など、いろいろな側面から計画し、社外や他部門から講師を呼び、それぞれに合った教育も行っています。新入社員には、社会人としてのあり方や仕事の向き合い方など、幅広い視点からサポートするメンター制度を整えています。対応するメンターは比較的若い人を中心に選出します。年が近いほうが話しやすく相談しやすいだろうという理由もありますが、教える側もとても勉強になると思うためです。メンターには教育のプログラムを考えてもらいます。教える側も、自分の頭の中をきちんと整理したり、相手を思いやるなど、メンターになることでステップアップできると思っています。

  • 製品開発統括部 担当役員 安西

吉田:拡販技術統括部では、若手技術者は親会社の東芝応用技術部門で実習を行い、製品知識をしっかりと身に付けます。その後、拡販技術統括部に戻り、教育プログラムに沿って経験を積みますが、担当エリアとして国内の他、海外(アジア)がありますので、海外駐在という貴重な経験を積むことができます。また技術的な教育以外に力を入れていくのが、若手技術者向けのマインド教育です。これは、世の中の動きはどうなっているのか、経済はどのように変化していくのか、といった部分を半導体技術者としてどのように捉えるか、そして世界に通じる技術者として持つべきマインドセットを考えていくというものです。マインド教育はお客様と同じ目線で広く世の中とらえ、社会やお客様の課題解決に向けた提案力や実行力をつけてもらいたいということが目的です。

安西:一般的な教育以外に部門内で階層教育を行っていますが、私の部門で力を入れているのが実習です。若い技術者に各拠点の工場に数カ月~半年駐在してもらい、製品ができるまでの理解を深めてもらうことが目的です。併せて拠点の技術者と人脈を築くことが、のちの開発に生きてくるという相乗効果も狙っています。また当部門は他と比べて出社率が高く、OJTという意味では非常に恵まれています。モノを実際に見て触れて、メンバー同士の会話も活発です。そういった事情を人材教育に生かしてはどうかという構想も生まれています。若手社員をいったん当部門で引き取り、OJTで学ばせたのち適性をみて配属を決める、見直すのもよいのではというフレキシブルな考えです。

清水:たとえば評価を理解している設計、設計を知っている拡販など、将来を見据えるといろいろなことを吸収できる2~3年の経験は、その人にとっても大変有意義なことだと思います。尖がった技術者も必要ですが、広く全体を見渡せる人も必要です。広い視野で物事をとらえ、柔軟に発想の転換ができる人財を育てていければと考えています。

最後に、皆さんが求める人物像とは?

吉田:良い人間関係を築くためのコミュニケーション力があれば、どんなことにも対応できると思います。

清水:探求心、向上心、やり抜く強い気持ち、協調性。そんな気持ちを持った方ですね。

安西:大事なのは、オーナーシップと情熱だと思います。

貴重なお話をありがとうございました。

  • 設計開発統括部 担当役員

    清水 宏二

    1987年入社
    半導体設計エンジニアを経て現職。
    座右の銘は「無私無偏」。
    公平に判断、行動することがモットー。お客様とWinWinの関係を築き事業を盛り立てることが大切。

  • 拡販技術統括部 担当役員

    吉田 満

    1989年入社
    ソフトウエア開発エンジニア、応用技術等を経て現職。
    座右の銘は「満は損を招き、謙のみ福をうく」。
    謙虚で人から常に学ぶ姿勢でいること、それが重要。

  • 製品開発統括部 担当役員

    安西 俊一

    1989年入社
    アナログ設計エンジニアを経て現職。
    座右の銘は「急がば回れ」。
    遠回りをせよという解釈ではなく、急ぐのであればその間に小さく早く多く回れ。小さな仮説検証をたくさん回して大きな成功をつかみましょう。

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